2016年の最後は「アニキ」こと俳優哀川翔(55)が締める! 千葉・内房の保田「村井丸」(村井智博船長)で、イシダイ五目をウィリー仕掛けで狙った。ハリに毛針のような飾りのついた仕掛けで、アミコマセを振って魚を誘い、動きを止めて、待つ。さて、アニキはどうだったのか? 意外な人物がヒットを連発させた。2017年、アニキの釣りで何かが起こる!?

 いい海だ。同じ東京湾なのに、千葉から見る海はちょっと違って感じる。目を凝らせば、対岸には三浦半島が見える。手が届きそうだ。ただ、この保田港から船を出して緩やかな潮風を受けると、釣りは本当に楽しいと無邪気に感じてしまう。

 午前6時の出船。空がようやく白んできて、まだ星や月が薄く青白くまたたいている。夜と朝の間。動物の目覚めを体感する瞬間でもあるな。太陽のない空。キーンと寒さが支配する12月なんだろうが、今年はちょいとおかしい。

 まだ、寒さに冬の厳しさが宿っていない。この気候なら誘えそうだと思って、今回は奥さんを連れてきた。おおやけ(公)にうつくしい(美)と書いて「くみ(公美)」です。たいして釣れないだろうが、釣りの醍醐味(だいごみ)を感じてくれれば、うれしい限りだ。

 村井丸のイシダイ五目は2度目になる。前回同様に常連の武藤篤さんと一緒に釣りをした。開始そうそうに武藤さんがグッドサイズのイシダイを釣った。さすがだ。こりゃ、釣り談議に花が咲きそうだ。

 武藤さん アニキはスゴいです。船長に頼まれて、釣り人の横につくことが何度かあるんですが、なかなか質問してくる人はいないんです。ところが、アニキは聞いてほしいところをすぐ質問してくる。テンポがいい。この釣りはサオをどうシャクって、コマセを均等にバラまくか。そこがポイントなんです。

 イメージとしては、船長の指定するタナ(魚の回遊層)に合わせるまでにリズムよくコマセを振って、タナに止めたときにコマセの煙幕の中に仕掛けのハリが入っている-武藤さんのアドバイスは分かりやすくていい。ただ、小さいイサキとおいしそうなアジがよく釣れる。この小魚の向こう側にターゲットのイシダイが様子を見ているんだろうな。引っ張りだすぜ、イシダイ、待ってろよ!

 おっ、ヒットした。サオがギュンと曲がる。いい引きだ。でも、さっきの武藤さんほどじゃない。ん? ウマヅラか、いい引きじゃねーか。なんだ? 公美もきてるじゃないか。以心伝心とはこれだな。公美もウマヅラだよ。あるな、夫婦ならあることだ。

 ウィリー仕掛けは、3本バリで、上2つには羽飾りのようなものがついていて、何もつけなくてもいいが、小さく切ったイカを付けると効果的だ。下のハリは何もなくてオキアミを刺す。これなら単純だからビギナーでもいけそうだな。イシダイ狙いならハリスは2号、イナダなどが回ってきたら4号にサイズアップするといいようだ。

 公美が絶好調だ。釣ったイサキやアジを泳がせているとイナダが食ってきた。丸まると太っている。うまそうだ。直後、今度はヒラメを釣り上げた。今まで何度か釣り船には乗っていたけど、すぐ飽きていた。今夏は様子が違う。「翔ちゃん、釣りって楽しいねぇ~」だと。どうやらハマったようだ。

 正午を越えたころ、サオにガツンと衝撃が加わって、ギューン、と曲がって、プチン。切れた。多分、イシダイだ。間違いなくデカい。やられた。最後に武藤さんが良型のイシダイをキャッチした。今日のイシダイは武藤さんの2匹だけ。結果は出なかったが、オレはこの釣りは好きだね。来年1月、必ずリベンジにくる。えっ、公美も? ほお、やる気満々だな。また、くるぜ、保田の海、待ってろよ。

 ▼宿 保田「村井丸」【電話】0470・55・1121。イシダイ釣りは、午前6時出船で、氷とコマセ付きで9000円(付けエサ別)。要予約。食事は村井丸から徒歩1分の「山田屋」【電話】0470・55・2999。釣った魚を料理しますよ。