ヘラブナ釣り初心者やこれから始めようという方に送る「藤井秀和のヘラブナ釣り講座」、今回からいよいよ実践編です。第3回は実釣前にやるべきことを解説します。釣行前の仕掛けの準備や情報収集、釣り座の設定、重要な底取りの仕方、サオの振り方…などなど、実際に釣り始める前に知っておきたいことを説明します。

 ◆情報収集 まず池の管理者に、季節風が避けられる桟橋や水深などを聞いてみましょう。管理池によっては、水深のある池でも浅場(7~10尺のサオを使うため)があります。事前に確認しておきましょう。

 ◆仕掛け準備 釣行前に仕掛けを作っておけば、到着後すぐサオ出しが可能です。仕掛けは出来るだけシンプルなものがよいと思います。まず穂先に無精付け(8の字結び)で道糸をつけます。道糸の長さを手尻の握りの所まで持って来てウキゴムを直接通します(慣れてきたらウキストッパーを入れ丸カンの付いたウキゴムを入れます)。道糸の手尻の所を8の字結びで輪っか(丸カンかサルカンでも良い)を作ります。輪っかの上に板オモリを巻いてください。この下にハリス2本(上ハリスが30センチ前後、下ハリスが40センチ前後)とハリ2本をつけます。上下ハリスの段差は5~10センチぐらいがいいでしょう。

 ◆釣り座の設定 釣り場の桟橋などに入り道具を下ろすと、そこが自分の釣り座です。イスなどを置き、サオ受けをセット、タモを柄に差し込みます。エサや道具入れなども手に取りやすいところに配置します。

 ◆底取り サオを出しウキを付け、ウキのバランス(エサ落ち目盛り。ウキのトップの付け根から約3分の1を沈めたところ)を、板オモリなどで調整し、宙層で取ります<イラスト(1)>。そして、底取りゴムを上のハリにつけ底を取ります<同(2)>。ここで注意するのは、ウキの立つ位置で底取りを行うことです。目いっぱい振り込んでウキに波紋が出来るところまで仕掛けを寄せてきて底取りしてください。ウキのトップの先端が水面ギリギリに見えるところまでウキを調整して繰り返し底を測ります<同(3)>。できれば(釣り座の)手前、左右も測っておき、一番深いと思ったところを探してください。ウキのトップ先端が見えたら、これが水深です。ここに木綿糸かマーカーで目印(トンボ)を付けましょう<同(4)>。これに先ほど宙で測ったウキのエサ落ち目盛りを合わせる<同(5)>と、上バリトントンのタナ<同(6)>となります。

 ◆エサ 袋に書いてある説明に従って作ってください。作り終えたら、エサをつけずに仕掛けを打ち込みます。ハリが底に着きハリの重みが消え、宙釣りに合わせたウキの目盛りより少し上になると思います。これを必ず確認してください。底釣りでは食い上げのアタリが出るのと、エサの負荷の確認ができます。ただ魚を何匹か釣ると底が掘れる場合が多く、おかしいなと思ったら必ず底取りをやり直してください。池によっては水位が変化する池もあるので、注意が必要です。

 ◆サオの振り方 サオの弾力と遠心力を使い、力は入れないで軽く振ります。管理池では、振り子を振るように下から振るのが基本です。向かい風が強い時などはまれに上から振る「タスキ振り」をすることもあります。いずれも仕掛けを毎回同じ位置に振り込むことが重要です。また、振り切り(仕掛けが張ったまま遠くに落とす)と落とし込み(ウキが立つ位置に落とす)があり、振り切りから始め、落とし込みを徐々に練習して下さい。