投げ釣りで大型のカワハギを仕留めようと南紀・串本大島の磯へ先日、釣友の福井龍二さん(37=加古川)と出掛けた。同所の「しょらさん渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で午前9時半ごろに「ホアジロ」へ渡礁すると良型が次々にヒット。釣友が31センチ、私は35センチのジャンボサイズを仕留めるなど、午後2時までに2人で22~35センチを16匹キープした。アタリの多さ、カワハギのサイズの良さに大満足だった。【日刊FPC・柴田誠】

 カワハギは、口先がやわらかいので、十分にハリを飲み込ませてから、合わせるのがコツだ。あとは、吸い込みやすい形状のハリを使うことも大事になる。

 午前6時の1番船に乗り込み、昨年よく釣れた「ヒラバエ」に渡してもらった。たらしを1センチほどにしたマムシを刺しエサに4本のサオで投げかえすが、外道ばかり。カワハギからのシグナルがない…。通常なら、日が高くなって、アタリ連発となるのだが、こうもアタリがないと辛抱たまらず磯替わり。対面にある「ホアジロ」の低いほうへ移動した。

 時間は同9時半。今から挽回だと、そそくさと投げ込むと2本目のサオをセットしかけた時、ドラグ音がジーと鳴るアタリ。あせらずこれを見送り、2度目のアタリで合わせ、取り込んだのは28センチの本命。とりあえずの1匹にホッとする。この調子で釣れてくれば最高だ。

 3本のサオを並べ終わると小さなアタリで25センチ、次は26センチとポンポンと釣れ続く。福井さんも「時合ですかね? 最高っすね」と同型を次々に釣りあげ、31センチの大型を仕留めた。でかい。私も、肝パンの大きいやつをと、思ってると左のサオのリールがこれまでにない、うなりをあげる。

 少し待ってから合わせると手応え抜群。重い引きで、グングンと締めこんでくる。心地よい感触を味わいながら、取り込んだのはなんと35センチ。「でかっ」と福井さん。釣った私も、びっくりなジャンボな魚体にうれしさが込み上げてくる。

 だが、正午ごろから、潮が右に流れ始めると、続いていたアタリが遠のいた。しばらく潮待ちを続けた午後1時ごろ、流れがゆるくなると同時にアタリが復活。再び、ポンポンと釣れ始めて32、24、26センチが連発。

 そして納竿間際の大当たりなのか、ジージージーとドラグ音が響く。でかいのが来たか? と期待したが22、23センチのダブル。どうりで重たいはず。まだまだアタリが続き、名残惜しかったが、2人で16匹の良、大型をキープし、午後2時の迎えの船に飛び乗った。

 ◆カワハギ 投げ釣りのほかにも、船釣りで狙える人気のターゲット。小さな口でエサをうまくかすめとることから「エサ取り名人」と呼ばれる。半透明で弾力のある身はフグにも負けないほど美味。薄造りにした身をキモあえにしてネギとポン酢で食べると濃厚な味わいがやみつきになる。

 【今後の見通し】水温が上がると、カワハギの活性も上がり、小ぶりも交じるが、数がさらに釣れるようになる。ほかにも、ルアー(ミノーやメタルジグ)で青ものを狙うキャスティングが好調。メジロやヒラスズキが釣れている。また、生きた小アジをエサにしたヤエン仕掛けでは30~45センチの大型アオリイカが狙える。

 【問い合わせ】しょらさん渡船【電話】090・3465・2626。渡船料金は4000円。出船は午前5時(季節により変動)。納竿時間は正午、午後2時、同4時。弁当は700円。

 【交通】大阪から阪和自動車道を利用し、すさみ南ICから国道42号に入り、串本町へ。くしもと大橋を渡り、白野港へ。