抱卵前で脂が乗った良型イサギを狙おうと先日、和歌山・御坊市・南塩屋の乗合船「谷野丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で名田沖へ出た。午前5時前から天秤サビキ仕掛けで挑戦。早朝から順調に掛かり、同11時までに25~34センチを21匹ゲット。サオ頭は手釣りの田村威雄さん(橋本市)で25~36センチを43匹釣りあげた。5月に入り、水温がもう少し上がればイサギの活性もぐんと上がり最盛期を迎える。【中村和嗣】

 午前5時前、名田沖の水深45メートル前後のポイントに入った。海はなぎで、下り潮がゆっくり流れる。左舷中央に入り、良型イサギを狙ってサオ釣りで挑戦。「底から9メートルほど上で始めて」との指示で、鉄仮面(スチール天秤)にアミエビを8分ほどに詰め、サビキの4本バリ仕掛けを投入。底まで落とし、指示ダナまでゆっくり引き上げ、腕を上下してまきエを利かせる。

 これを繰り返すと、30分ほどで船尾の福田浩之さん(河内長野市)が30センチ級のイサギを釣りあげた。塩焼き、刺し身が美味しそう。右舷で手釣りをしていた田村威雄さんにも同型が釣れ、記者もブルブルッとサオ先が震えるアタリで26センチを取り込んだ。その後も、入れ掛かりとまではいかないが順調に掛かってくる。

 イサギの群れは上の方に大型が集まる傾向があることから、指示ダナの上層を探る船尾の常連・福田、田村さんが脂の乗った34~35センチ交じりで25~30センチを次々に釣っていく。さすがベテラン。福田さんに話を聞くと「型のいいのはオキアミに食ってくるよ」という。

 私も、まねながらコンスタントに釣果を伸ばすが、1時間ほどするとイサギの活性が落ちてきた。そこで船長から「刺しアミを使ってみて」という指示が出た。

 すると数投目、今までにない重みでサオが曲がり、良型がヒット。グッグッグッと心地良い締め込みをみせたのはでっぷりとしてプリプリに肥えた34センチ。これぞ納得の刺し身級イサギ。

 刺しエが効いたのか、その後は食いが復活。十分な釣果を得たところで同11時ごろに納竿した。サオ頭は田村さんで25~36センチを43匹。記者は21匹止まりだが、後半に体高のあるグッドサイズが釣れて大満足。前日には、40センチ級のジャンボサイズもあがっており、これからの最盛期に向け数、型ともに期待できそう。

 【今後の見通し】これから抱卵イサギの最盛期を迎える。体高があり、脂の乗った40センチ級が期待できる。5月中旬になると、イサギの活性がさらに上がり、今以上の数釣りが楽しめる。

 【問い合わせ】谷野丸【電話】0738・22・4487。乗合船料金1万1000円(仕掛け、エサ、氷付き)。無料仮眠所あり。出船は午前4時集合。ほかにも、なぎ丸【電話】0737・62・3890、かるも丸【電話】同・62・3527、浜吉丸【電話】0738・64・2390、共栄丸【電話】同・64・2318、千代丸【電話】同・23・1621、福丸観光漁業【電話】同・23・1091がある。

 【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡って左折。日高川沿いに河口へ2キロほど走り天田橋北詰を左折し国道42号へ。塩屋の交差点をすぎ約400メートル進み、同乗合船の看板があるところで右折し南塩屋漁港へ。