静岡・興津川のアユ釣りが20日、東日本ではいち早く解禁し、全国からアユファン約2000人がサオを出した。27日に解禁する静岡・狩野川以外のアユ河川では、そのほとんどが6月1日にスタートする。今年は水温がなかなか上がらず、興津川では約4・2トンを放流しているが、この日は釣れるポイントと渋いポイントがはっきりと分かれてしまった。上流域の矢崎橋付近では午前10時までに50匹以上の釣果も出たが、そのすぐそばでは、1ケタ台という落差も出た。

 中流域「あこがれ亭」付近では、天然アユの群れが視認できるほどだが、まだ5センチ前後とオトリにもならない状態。漁協では「天然ソ上は、今世紀最多の量と思われるが、今後梅雨で雨が降って大きくなってくるのではないか。上流の放流アユも水温が上昇すれば散らばってくる」と話した。

 興津川のアユ釣りに詳しい横山愛治さんは「初日としては厳しい釣果になったが、魚はいる。恵みの雨を待つことにはなるが、もう気長に構えるしかない。辛抱も大切だ」とやや苦笑いながら、天然アユの多い状況に希望をつないだ。

 ▼問い合わせ 興津川「あこがれ亭」【電話】054・393・3814。興津川非出資漁協【電話】054・393・3894。日釣り券1500円(高校生以下、女性、身体障がい者は漁協で確認済み証を500円で発行。以後シーズン中は無料)、年券7000円、現場売り2500円。オトリは1匹600円。宿泊も可。