秋雨前線による雨が降る季節になると、ヒラスズキが落ちアユを求めて、河口に集まってくる。そんな活性の高いヒラを狙おうと、先日、徳島・海陽町を流れる海部川の河口へ釣行した。流れのヨレを落ちアユを演出したドリフト釣法で、ブリブリに肥えた69センチのキャッチした。これから秋が深まっていくと河口周辺でのヒラスズキゲームが熱くなる。

 午後9時すぎ、海部川河口に到着。状況は満潮から下げに入っているが、流れはまださほど強くない。波高は約1・5メートルでサーフを攻めるには申し分のない波だ。気になるポイントを移動しながら攻めていく。

 河口の地形をみると、サーフ側よりも、川の流れの中にヒラスズキが回遊してきているような雰囲気を感じる。ルアーをローテーションしながら、川側を重点的に攻めることにした。

 この時期は高潮気味で、潮がなかなか下がらないため、ヒラが川の中寄りに入ってきやすい。流れが利きだすのを待ちながら、頭の中でイメージを膨らませて、キャストを繰り返す。

 釣り始めて1時間半余りすると、明確な流れが出来だし、いよいよチャンスが到来。125ミリのスローシンキングミノーを上流へキャストし、ルアーをドリフトさせながら対岸の流れのヨレへ流し込んでいく。

 このパターンを数投繰り返すと、ガツン。ロッドをひったくるアタリがきた。フッキングすると、ヒラが元気のよいエラ洗いを連発したあと、流れに乗って下流へ突っ込んでいく。

 ヒラの動きに合わせるように応戦。徐々に寄せてくるが、流れから手前に入ってくると再び、激しいエラ洗いを連発して抵抗する。バラさないように慎重に弱らせ、サーフへずり上げた。サイズは69センチでナイスコンディションの魚だった。

 まだ、チャンスがあるはずだと、同様に攻めるとヒットポイントよりも下流でアタリをキャッチ。フッキングを入れると激しいエラ洗いで抵抗され、残念ながら、フックアウトしてしまった。その後も、干潮まで攻めてみたが反応はなく、午後11時半に納竿。今回は水量が多いわけではなかったが、ヒラスズキが回遊していることが確認できたことに収穫があった。【日刊FPC・長井淳】

 【今後の見通し】これから秋雨前線が活発になり、増水すれば数、型ともに狙えるチャンス。10月いっぱいは河口でのヒラスズキゲームが楽しめるだろう。春にアユのそ上が多かったので、落ちアユも多いことが予想され、それを追うヒラスズキの荒食いが期待できる。水温が25度を下回れば磯や、ゴロタ場でもヒラが回遊し始め、広域で楽しめるようになる。

 【交通】徳島市内から国道55号を南下し、海陽町へ。海部大橋を渡り、信号を左折して河口方面へ。