寒い時期になるとヒラメだろ、ヒラメ。釣りこそ人生の指針とする「アニキ」こと俳優哀川翔(56)が、茨城・鹿島沖のヒラメに挑んだ。何度かヒラメと対峙(たいじ)しているが、過去最多は7匹。鹿島の釣り船では今季からヒラメ保護を考慮して、10匹の自主規制枠を設定している。さあ、アニキ、どうなるか? そして「第三幸栄丸」が25日から鹿嶋市内で「浜焼き 漁師小屋」をオープンさせ、事前にアニキも舌鼓を打ってきた。

 とうとう寒くなってきたね。出船前、外気温2度だよ、2度。霜が降りそうだ。でもさ、この寒さがうまいヒラメを育むんだろうな。

 そうそう、鹿島では「バッグリミット」としてヒラメは「10匹」という数字を今季から設定している。クーラーを「バッグ」と例えて、持ち帰ることのできる制限のことをいうんだな。いいことじゃないか。ヒラメなんかは10匹でも多い方だよ。魚を釣りながら、魚を守ることはいいことだ。いつまでも釣りザオを持っていたいからね。

 で、何匹釣るか、だ。もちろん制限匹数の10匹は目指す。過去、オレは7匹が最多。ここは超えていきたい。大きいヒラメも釣りたいぞ。おお、燃えてくるねぇ、いざ出船だ。

 鹿島のヒラメは、順次段階的に釣れる場所が変わってくる。今月1日から波崎の海域だけ釣りができる。12月1日から茨城県全域で解禁。なにしろ茨城の県魚はヒラメだからな。

 今回は22日に取材した。まだ全県レベルでの解禁ではないが、数は釣れるらしい。

 現場に到着した。朝日がそろそろと昇ってきた。いい御来光だ…のほほんとしていたら、モゾモゾとサオ先がおかしい。ギュン、引き込まれた。ヒラメだ。慌てずに合わせると、サオがきれいに曲がった。これを待っていたぜ。そんなに大きくはないが1匹目。リミットまで9匹か…いけるかもなぁ。

 その後も船中でバタバタと釣れてきた。海洋環境専門家の木村尚(たかし)さんも厚みのある、うまそうなのをキャッチした。日刊スポーツの釣り速報担当、桜井偉明(いめい)君も、初体験で釣り上げた。大したもんだ。他のメンバーも次々にヒットして、良型ヒラメをゲットした。モーニングラッシュ、いいんじゃねーか。

 船内は、順調に釣れている。ヒラメは生きたイワシに2つのハリを刺して、泳がせてヒラメを誘う。80~100号のオモリを着底させて、やや引きずらせるイメージで底面ギリギリを狙っていく。

 木村さんが連れてきたフードコーディネーター西原佳江ちゃんが、上手だね。1匹目までは苦戦していたけど、その後、次々に取り込んでヒラメが8匹、オマケでマゴチ58センチも。言われたとおりに底をトントンとたたきながら、タナをいじらなかったんだろう。聞くと佳江ちゃんはヒラメが初体験。結果的には8匹はサオ頭だ。人間は、素直なのがいいんだよ、素直なのが。

 他にはクロソイ、イナダ、スズキも釣れた。楽しい釣りだな。オレは結局、6匹で終了。記録更新できなかったけど、元気に舞い踊るヒラメもいたし、楽しく釣りができた。感謝だ。

 そう、ヒラメも踊っていたけど、オレも主演ミュージカル「ヘッズ・アップ!」が近づいてきた。12月14~17日がKAAT神奈川芸術劇場、来年1~2月に富山、長野、大阪、名古屋を回って、3月2~12日に東京・TBS赤坂ACTシアターに帰ってくる。2年前が初演。台本もグレードアップしてさらに面白くなっている。12月に全面解禁する茨城のヒラメ釣りともども、ヨロシク!

 ▼船 鹿島「第三幸栄丸」【電話】0299・82・6032。ヒラメ乗合船は、午前5時30分出船で、氷とイワシエサが付いて1万2500円。

 ▼食事 幸栄丸「浜焼き 漁師小屋」。電話はまだないので、船の連絡先にお願いします。25日からオープン。今回はアニキも“視察”した。全国からとびきり新鮮な食材を入手している。カキは宮城・松島産でプックリしておいしい。殻付き20個をブリキ缶に入れて、目の前で蒸し上げる「ガンガン焼き」料金は2000円。アニキは「これ、うめぇなぁ。安すぎるんじゃねーか? ホンビノス貝もいただいたけど、クセになりそうだよ」。場所は、第三幸栄丸の民宿「かもめ荘」と港を結ぶ県道255号の沿線。ガソリンスタンド「エネオス」の隣。詳細は船宿で教えまーす。