良型ヘラブナの活発な食いが続く兵庫・丹波市市島町の「大杉ダム」で9日、「へら研阪神クラブ」の月例会が行われた。私を含む25人が参加し、ヘラ2匹の長寸を競った。朝からの雨で出足は鈍かったが、水位の上昇とともに食いが上向き午後3時すぎまでに32・6~39・5センチを10匹釣り上げた。優勝は杉山健一さん(伊丹市)で41・2、37・6センチをそろえた。悪天候もそっちのけで竿を絞り込む強烈な引きを夢中で楽しんだ。

大杉ダムは三方を山に囲まれた豊かな自然にいやされながら、ヘラブナ釣りが楽しめる。周囲は約1・5キロ。ダム底はすり鉢状になっている。小雨が降るなか、午前7時半ごろから、えん堤の中央付近に入った。

数日前に降った大雨で水色は笹濁りだが、足元にはイモリの姿がみられ、水質の良さがうかがえる。試し釣り(先月26日に35~42センチを40匹、2日は同型を15匹)で、いい感触を得ていた15尺竿の宙釣り(タナ約2メートル)の両ダンゴで開始した。

南風が吹く中、黙々とやわらかめでボソッとしたタッチのエサを打つが、いっこうに本命の反応がなく時折、ジャミが触るだけ。雨で水温が下がり十数人が並んで竿を出したためか、なかなか本命アタリが出ない。いつもならすぐに良型が当たってくるのだが…。

それでも雨が徐々に強まり、水位が増した午前11時すぎから状況が好転した。ハスやブルーギルを避けるために落とし込みでエサを打っているとスパーッと目が覚める豪快なウキ入れで35センチ前後が掛かりだす。

引きも、半端なく強烈で合わせた瞬間、竿が立たないほどパワフル。左手を竿に添えて必死で応戦。1匹釣り上げると、かなり楽しめる。近くで竿を出す妻も「めちゃくちゃ引きが強いね」と竿を握りしめてうれしい悲鳴を上げている。

カラツンが増えるとエサを小さくし、タッチも硬めのボソッとしたものにしてサイズアップを狙っていくと午後1時すぎ、39・5、38・5、38・5センチが3連発。降りしきる雨もそっちのけで強烈な引きをしのいでなんとかタモ入れ。その後も、午後3時までに32・6~35センチを数匹食わせ、スリル満点のファイトを堪能した。

優勝の杉山さんは上流の左岸に入り、16尺の底釣り(両グルテン)で33~41・2を13匹食わせた。当湖のヘラの魚影の濃さは、関西一と言っても過言ではない。その証拠にこの日の釣果率は管理釣り場並みの96%。型も2匹で70センチ超の会員が続出。底釣り、宙釣りとどのタナでも釣れていた。【日刊FPC・藤井秀和】

◆エサ 「凄麩」400、「ガッテン」200、「カルネバ」100、「ダンゴの底釣り夏」50に水200を加えたもの。※単位はcc。調整エサは「ダンゴの底釣り夏」と「バラケバインダーフラッシュ」。

◆今後の見通し これからも安定して良型が釣れ続くと思われる。平日なら7、8尺の短竿で釣る人もいるほど、ヘラの魚影が濃く活性も高い。秋が深まり水温が徐々に下がってくると荒食いも期待できる。

◆問い合わせ 大杉ダム自然公園管理委員会【電話】090・4033・7547。遊漁料1日800円、年券6000円(現地徴収のみ)。

◆交通 舞鶴若狭自動車道の春日ICを出て信号を右折。国道175号を福知山方面へ。八日市の信号を左折。県道282号を西へ。前山小学校を通過し、600メートルほど走ると、左手に標識があり、次の三差路を右折すると、大杉ダムがある。