皆さんは、気になっている健康や病気の悩みがありませんか? 医療相談「first call」には、さまざまな相談が寄せられています。今日からは、多くの方が持つ悩みを紹介します。

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 胃潰瘍になると、胃痛や胸やけなどの症状が表れます。胃液に含まれる酸によって胃の壁が傷つき、穴が開いたようになってしまうからです。胃潰瘍は30歳以上(特に40~50代)に多く、男性が女性よりも多い傾向にあります。

 胃液は食べ物を消化したり、食べ物と一緒に入ってきた細菌を殺菌しています。通常は、胃壁の表面を覆う粘膜が、胃酸に対する防御機能を持っています。ただ、その防御機能が弱くなると、胃液は強い酸性なので胃壁を傷つけて胃潰瘍になってしまいます。

 次の「胃潰瘍度チェック」をやってみてください。6項目以上あてはまると、健康診断などで、チェックした方がいいでしょう。

 ・喫煙

 ・飲酒

 ・過労気味

 ・早食い

 ・ストレスが多い

 ・コーヒーをよく飲む

 ・暴飲暴食

 ・睡眠不足

 ・緊張や不安

 ・刺激物(香辛料など)を好んで食べる

 最近は、胃潰瘍を引き起こす最大原因は、ピロリ菌の感染といわれています。胃潰瘍患者の70~80%がピロリ菌に感染していることが分かっています。

 ピロリ菌は、胃の中の尿素からアンモニアを作り、胃酸を中和することで強酸性の胃の中にすみついています。このアンモニアが胃粘膜を傷つける原因になります。ピロリ菌の感染により有害な活性酸素が多く作られ、胃粘膜が傷つきやすくなります。さらにピロリ菌自体が出す毒素によっても、胃粘膜は傷つけられます。

 ピロリ菌は、WHO(世界保健機関)が1994年に胃がんの「確実な発がん因子」と認定しました。ピロリ菌に感染している場合は除菌治療が必須です。ピロリ菌に感染しているかどうかは、血液検査、もしくは呼気中の二酸化炭素を測る呼気検査で分かります。

 ▼first call (ファーストコール)テレビ電話で自宅等から医師に相談ができるオンライン医療相談サービス。現在はモニター期間中なので15分500円。https://firstcall.md/

 ◆真鍋歩(まなべ・あゆむ)医師・医学博士。1984年(昭59)7月6日生まれ、東京都出身。日大医学部卒。専門は眼科。現在、日大病院眼科研究医員として臨床・研究に従事しながら、メドピアグループが提供するオンライン医療相談サービス「first call」運営に参画。自身も同サービスで健康相談に応じる。