春季高校野球静岡県大会が29日に開幕する。初出場の下田(東部5位)は、29日の1回戦で駿河総合(中部5位)と対戦。エースで4番の露木省吾投手(3年)が投打でフル回転を誓う。

 下田の大黒柱・露木が、ブルペンで熱のこもった投球を繰り返す。185センチの長身と長い手足から繰り出される直球は最速132キロだが、スピードガン以上の球威を感じさせる。

 露木 昨年より直球に伸びが出て、空振りがとれるようになりました。県大会では目の前の1戦1戦に集中して戦っていきたいと思います。

 入学時は182センチ、62キロ。昨夏からエースを務めるが、当時はスライダー中心の技巧派。昨冬は学校近くの天神神社で、約100段の階段を20往復するなど、徹底した走り込みで下半身を鍛えた。現在185センチ、74キロ。本格派へ変貌を遂げつつある下田は「夏までに140キロを出したい」と、さらなる成長を目指す。

 4番に座る打撃でも勝負強さを見せる。県大会出場を決めた富士戦で先制打を含む2打点。今春の練習試合を含めた打率4割6分7厘はチームNO・1だ。松本剛監督(29)も「リーチが長いのに内角もうまくさばける。どんな球も器用に打ちますね」と評価。露木も「4番としても仕事ができるように頑張りたいです」と意気込む。

 08年に下田北と下田南が統合して誕生した下田。現在は3年生8人に2年生7人、新1年生3人を加えても部員わずか18人。11年秋も県大会に出場したが未勝利に終わっている。悲願の県初勝利へ、露木がその体格同様、大きな存在感を示す決意だ。【鈴木正章】