20歳パワーで3連勝返し! 3年目の中日若松駿太投手(20)に今季初先発の可能性が浮上した。今日14日にも1軍に合流し、阪神3連戦(ナゴヤドーム)の3戦目(16日)先発をにらむ。1戦目はバルデス、2戦目は大野と好調の左腕コンビが先発する見込み。開幕3連敗を喫した虎に、得意の本拠地でやり返す。

 ぽっかりと空いた谷間に花は咲くか-。雪辱の阪神3連戦を翌日に控えた13日。ナゴヤドームでの全体練習を終えた森ヘッドコーチのコメントは「話すことは何もない」とだけ。友利投手コーチも「何も言わないよ」ときっぱり。投手陣を束ねる責任者は、阪神戦の投手プランについて一切話さず。口を閉ざした。焦点は3人目の先発。バルデス、大野と続き3戦目は誰がマウンドに上がるかだ。

 これまで先発に抜てきされた武藤、伊藤が背信投球で2軍に落ちた。16日の先発マウンドに上がる投手がいない。10日DeNA戦に先発した山井が間隔を1日縮めることも考えられるが、友利投手コーチは「今のところ動かそうというのはない」と説明。候補は10日の初昇格後に登板機会がないルーキー浜田智か。それとも2軍調整中の朝倉が昇格するのか…。

 急浮上したのは今日14日から1軍に合流する20歳の若松だ。プロ3年目で1軍登板はわずか7試合。しかも先発はまだ2試合という若武者だ。11日にはウエスタン・リーグ、オリックス戦で7回無失点と好投。阪神戦3戦目の先発となれば、中4日登板となるが、若竜の勢いに期待する可能性は十分にある。

 大阪の借りを名古屋で返す。阪神は開幕3連戦(京セラドーム大阪)で3連敗を喫した相手。あの屈辱を晴らすには今回は絶好の機会。初戦、2戦目は絶好調の左腕コンビをぶつける。

 カード初戦に臨むバルデスは「鳥谷、マートンは特に気をつけないといけない」と、開幕2戦目の3月28日に6回無失点と封じた相手を警戒。前回7日ヤクルト戦で完封勝利の大野は2戦目の見込み。「昨日から鳥谷さんが3番に入った。3、4、5番全員を完璧に抑えるのは難しいけど、単打OKくらいの気持ちでいきたい」と意気込んだ。

 本拠地では8勝1敗と無類の強さを誇り、現在首位。開幕から3日間のことはもう遠い過去だ。中日が、5位阪神に違いを見せつける。【桝井聡】

 ◆若松駿太(わかまつ・しゅんた)1995年(平7)2月28日、福岡県久留米市生まれ。小学4年の時に野球を始める。祐誠高2年まで投手兼内野手。甲子園出場経験はなし。12年ドラフト7位。プロ通算は7試合に登板して0勝1敗、防御率4・96。変化球はスライダー、カーブ、フォーク。180センチ、75キロ。右投げ右打ち。