ソフトバンクが、楽天3連戦をスイープし、連勝を6に伸ばした。3回には柳田悠岐外野手(27)が18戦ぶりとなる3号ソロ。不振の3番打者にも当たりが戻り、もう死角もなくなった。

 打った本人が疑った。高め直球を豪快に捉え右中間へ。スタンドへ達する飛距離十分の120メートル弾にも、柳田は半信半疑だった。「(本塁打を)打ってなさ過ぎて入るか分からなかった。行くだろうなと思いながらも行かなかったら恥ずかしいと思って」。昨季34発の男が、本塁打の感覚を忘れるほど苦しんでいた。

 昨年の母の日(5月10日)、柳田は2本の適時打で3打点を稼いだ。今年は勝利を呼ぶ本塁打。「(母の日は)これくらいしかできないんで。いいニュースを届けたいなとは思う。しっかり孝行しとる方ですよね」。今年も花を贈った。これまでにも賞品としてもらったベンツをプレゼントするなど母由美子さんへの孝行を続けているが、活躍することがなによりの親孝行だ。

 4月7日に17失点で大敗し借金3だった。だが4月9日からの1カ月で17勝2分け、わずか2敗しかしていない。今季20勝に到達し、貯金は増え続けて12。このままのペースなら、年間99勝を挙げた55年(143試合)の南海をも上回るシーズン102勝に到達するほどの強さだ。工藤監督も「あきらめず粘るということができている」とナインの強さをほめるばかり。明日10日から3ゲーム差の2位ロッテと3連戦。柳田も復調し、鷹の浮力はますます強くなっていく。【石橋隆雄】