日本が誇る「甲斐キャノン」敗れたり。6回1死一塁の場面でロサリオがスタート。甲斐の送球は一塁側にそれ、惜しくもアウトにはならなかった。日本シリーズ、台湾との壮行試合を含め8連続で盗塁を刺していた「恐肩」。10月15日CSファーストステージ第3戦、日本ハムの西川に盗塁を許して以来の失敗となった。

それでも、やっぱり「甲斐キャノン」はすごかった。1点リードの9回1死一塁。ハニガーの打球は遊撃へのゴロ。併殺で試合終了と思われたが、一塁送球がそれた。そこに待ちかまえていたのが甲斐だった。カバーに入って、一塁から二塁へ向かったハニガーの動きを見るや、素早く二塁へ送球。楽々と刺して試合を締めた。報道陣から「最後は甲斐キャノンで」と言われると「いやいや、たまたま。いつも通りのプレーをしただけです」と照れくさそうに笑った。

メジャー最強捕手と言われるMLB選抜のモリーナから「ベストフレンド」と声を掛けられ、互いのミットを交換するなど世界も認める「甲斐キャノン」。打っても4打数2安打2打点と、結果的に観客を大いに沸かせてみせた。