スタンバイはバッチリだ!

 阪神大和外野手(27)が6日、視察に訪れた侍ジャパン小久保裕紀監督(43)から3月10、11日に開催する欧州代表戦(東京ドーム)の代表候補に挙げられた。「代走でいける、守備からいける、代打でバントなどもできるという点は貴重な戦力だと見ている」と評価され、ジョーカー役としての日の丸が見えてきた。

 大和

 光栄ですし、ありがたいです。発奮材料になりますね。

 小久保監督の胸中で、大和の存在価値がどんどん上昇しているはずだ。ブルペン視察を終えた代表監督に合わせるように、フリー打撃が始まった。左足を引いたり、上げることなくシンプルにバットを出す新フォーム。今キャンプのテーマを黙々と66スイング繰り返しながら、安打性の打球が42本を数えた。実戦ではないものの打率は驚異の6割3分6厘。「自分の形はしっかりできてきた。後は実戦で結果を出せるか」と最高の状態でアピールに成功だ。

 大和にとって日の丸は近くて遠い存在になる。まだ登録名が前田時代の07年、北京プレ五輪日本代表で選ばれたが、以降名を連ねることはなくなった。ただ、小久保監督は13年WBCの敗退時から大和の存在価値を周囲に語っていたという。言わずと知れた走・守に改良中の打撃が加われば、招集はより現実味を増す。

 大和

 秋からやってきたことは出せている。早く実戦をしたいです。

 第3クールからは力試しの実戦が始まる。阪神での活躍の先に見えてきた侍ジャパンの存在。伸び盛りの大和に、新たなモチベーションが加わった。【松本航】

 ◆大和の日本代表歴

 07年8月に行われた北京五輪プレ大会に出場。予選リーグ第1戦チェコ戦で延長11回、1死満塁から中前にサヨナラ打を放った。人生初のサヨナラ打に「思ったよりお客さんが多かったので打ちたかった」と破顔一笑。波に乗った日本は決勝で中国を倒し、優勝した。