新日本プロレスのエース棚橋弘至(39)が1日、練習ゼロでの逆襲を誓った。

 19日の大阪城ホール大会に向け、大阪市内で日帰りのPR活動を敢行。IWGPインターコンチネンタル選手権で挑戦する王者ケニー・オメガには、5月21日の後楽園大会で襲撃を受けた経緯がある。左肩を剥離骨折し、二頭筋を断裂。今も固定器具をつけた状態だが「痛みつけられた借りを、城ホールで返すつもりだ」と力強く宣言した。

 今回の一戦は新日本史上初のラダーマッチで行われる。天井からつるされたベルトを、はしごを上って先に取った選手が勝ちとなる危険な戦いだ。棚橋は「回復を優先するために、心を鬼にして練習をしていない」と現状を説明。その上で「ドクターに最終判断をしてもらう。(出陣OKの)結果を祈る」と闘争心を燃やした。

 大きなケガは09年の眼窩(がんか)底骨折以来。準備不足は否めないが「ビハインドはあるけれど、本番に強いので」とぶっつけ本番を想定する。4月29日には震災の影響で試合が中止になった熊本を訪れ、仲間とTシャツなどグッズを被災者に配布するボランティア活動を行った。「プロレスは日本全国を回れる。社会貢献、地域貢献を少しでもやっていけたらと思う」。今度は大阪のリングで魅せる番。手負いの棚橋は、エースとしての使命を自覚している。