無料で釣り船に乗れちゃう裏技があるのを知ってますか? 静岡・西伊豆町では、「ふるさと納税」で納めた半分の金額が「感謝券」として戻ってくる。しかも、西伊豆町へのふるさと納税は、自分の住んでいる自治体に納入する住民税で控除されるから、実は何も損をしないことになる。安良里「ふじなみ丸」が対象の船宿になるため、マダイ五目釣りで体験してきた。

 西伊豆町を応援したら、船代が無料になる、ってお得な裏技があるんです。

 まるで魔法のようでしょ? 「いやいや、うまい話には裏があるんだよ」。それがないんです。地方財政に協力して、しかも自分の腹は痛まずに、ちゃっかりもうかっちゃう裏技なんです。

 海洋環境専門家の木村尚さんに協力してもらって、その裏技の流れをこっそり教えまーす。

 種明かしをすると、今、何かと話題になっている「ふるさと納税制度」を活用するんです。西伊豆町観光商工課の松浦城太郎さんは「ぜひ使っていただきたい。納税額の半額をふるさと納税感謝券としてお渡しします。手続きに2週間ほどかかるので、乗船予約は納付手続きがすんでから3週間みていただければ大丈夫です」と話す。でも、本当なのだろうか?

 この感謝券は、西伊豆町の安良里「ふじなみ丸」(藤井伸一郎船長)が対象船宿になる。藤井船長は「この制度が始まって2年ぐらいだけど、最近は納税して船に乗る人も増えてきましたね。面白い制度だよね」と、実際の使用例を証言してくれた。

 さて、船に乗ってみよう。木村さんには船に乗る3週間前、西伊豆町への2万4000円のふるさと納税をしてもらった…という役どころで乗船してもらった。釣り好きの松浦さんもガイドで同乗し「ふじなみ丸の船代は1万2000円なので、納税額は2万4000円になります」と解説した。

 ここでちょっと補足説明をしたい。ふるさと納税は本来の住民税の2割以内の納付額であれば、本来納める住民税でほぼ同額が控除される。つまり、住民税として納める金額は同じなので年間の予定支出は変わらないのだ。何も損をしないばかりか、転がりこんでくる感謝券の分だけ得することになるのだ。

 さて、肝心の釣りだが、まだ、マダイの乗っ込みには早く、松浦さんがかわいいサイズのマダイを釣りあげた。木村さんはメバルをゲットしてニンマリ。藤井船長は「マダイはまだかな。サクラが満開になる今月下旬から4月いっぱいは面白いと思う。今、納税して、感謝券が発行されるころはちょうどいいかもしれん」と話した。

 地方の財政に貢献しながら、西伊豆の釣りを楽しめて、しかも出費したことにならない…さあ、西伊豆町・安良里で釣りしましょうか! 【寺沢卓】

 ▼問い合わせ 西伊豆町観光商工課ふるさと納税係【電話】0558・52・1114(土日祝日を除く午前8時15分~午後5時)。感謝券では、釣り体験だけではなく、海産物や農産物、工芸品などの宅配サービスやシュノーケリングやダイビング体験や宿泊利用などもできる。安良里「ふじなみ丸」【電話】0558・56・0371。出船時間など詳細は要確認。

 ▼交通 車なら、東名沼津インターで下車、伊豆縦貫道→伊豆中央道→修善寺道路を経由して、国道136号線で金山で知られる土肥を通過して西伊豆町へ。電車・バス便ではJR三島駅から東海バス「松崎方面」に乗車して約2時間。