【第74回】
朝装着、夜は外すが大前提
コンタクトレンズ
「何だか目がよく見えなくなって」。A子さん(17)は視力の低下に気付き、小学生のころからのかかりつけのあけお眼科医院(東京・板橋区)を訪れた。診察した明尾潔医師は驚いた。眼球の黒目の部分を覆っている角膜が、白く混濁していたのだ。このまま放置すれば、角膜の濁りによって失われた視力が回復しない可能性すらある。そうなれば残された治療法は角膜移植だ。
明尾医師はため息をついた。A子さんの眼疾患の原因が、コンタクトレンズの不正使用にあったからだ。目がかすむ、しかし痛むわけでもないので、疲れ目だと思い、ほっておく。「ワンデー(1日用)や2ウイークス(2週間用)のコンタクトレンズを、使用期間を勝手に延長して使うことによるトラブルは、コンタクトレンズ使用に対する無理解からくると言っていいでしょう」。明尾医師はどのような目的で、何の必要からコンタクトレンズを使うのか、まずそれを自分ではっきりと知っておく必要があると語る。
「ソフトコンタクトレンズは、角膜の上にぴったりと張り付ける薄い膜のようなもの。目にとっては、首の上からすっぽりとビニール袋をかぶせられたに等しい状態にあるわけです。近眼を解消するための安易な手段としてコンタクトレンズを不正に使っていれば、角膜はじわじわと窒息死していきます。コンタクトレンズを使っている時間は、短ければ短いほどいい。だからスポーツのためなのか、あるいは美容上から使うのか、必要な部分の最小限で使うことが望ましいのです」。
授業やスポーツなど、学生生活の上で大きな障害となる視力低下だからこそ、青少年期のケアは大切だ。しかし、親からもらったコンタクト代を浮かせたかった、手入れが面倒くさい、つい装着したまま眠ってしまった−青少年期ならではの無謀さによるトラブルが後を絶たない。「コンタクトレンズは日常生活がどうであれ、朝装着し、夜は外すことが大前提です。試験勉強で夜更かしするときには、必ず眼鏡にかけ替えるなど親御さんも指導してください」。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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