ラグビー「リーグワン」1部で14季ぶりの頂点を目指す東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)に“優勝請負人”のエキスが注入された。

10日はプレーオフ準決勝の東京サントリーサンゴリアス戦(19日、東京・秩父宮ラグビー場)に向け、東京・府中市の練習場でトレーニングを公開。加入1季目で23年W杯ニュージーランド(NZ)代表「オールブラックス」のSOリッチー・モウンガ(29)は「もっと試合が近づくといい緊張があると思うが、まだ1週間以上あり、ハードな練習を乗り越えないといけない。ラグビー選手をやっている以上は、こういう負けたら終わりの試合は望んでいたところ。しっかり楽しんで、時間を過ごしていきたい」と大一番を待ちわびた。

モウンガは昨季まで世界最高峰スーパーラグビーのクルセーダーズ(NZ)に在籍。絶対的司令塔として7連覇に導いた“優勝請負人”だ。前日9日にはBL東京のチームミーティングで、決戦に向けた心得を伝えた。W杯4大会連続出場中のNO8リーチ・マイケル(35)も「『ワンチャンスが自分たちに来るかもしれないから、しっかり使おう。1つのパス、1つのキック、1つのタックルで勝敗が変わるかもしれない。楽しもう』という話だった。ワクワクしかない。リッチーにはアタック(攻撃)のことは全部任せられる。今週、しゃべりすぎないように気を付けたい」とうなずき、チームのかじ取りを複数の手で担う。

同じ東京・府中市を拠点とする東京SGとの「府中ダービー」。注目が集まる一戦へ、モウンガは誓う。

「これまでと準備は変わらない。1週間の準備で緊張が入ってきてしまうと、試合のパフォーマンスにつながる。そこはストレスを感じずに、準備の段階から笑顔で、ラグビーを楽しむ。それをみんなに言っていきたいと思います」

百戦錬磨の男が、歴史を変えられるか。【松本航】