目覚めた平山!14戦ぶり1発/壮行試合
<アテネ五輪壮行試合:日本4−0ベネズエラA>◇30日◇東京・国立競技場
怪物がついに目覚めた。日本五輪代表FW平山相太(19=筑波大)が、14試合947分ぶりにゴールを決めた。ベネズエラA代表戦の後半14分、ヘッドで2点目をたたき込んだ。前半36分にFW大久保嘉人(22=C大阪)が、無得点試合を「3」で止めると、FW4人がそろい踏み。アテネ五輪前最後の試合に課題の得点力不足を払しょくする4−0の大勝で、本番へ最高の弾みをつけた。
不安を自分の頭で消し去った。後半14分、左からのセンタリング。平山はDFと競り合いながら190センチ同士の空中戦を制し、ボールをゴールネットへ押し込んだ。誰もが待っていたチーム最年少の1発。かつて慣れ親しんだ感触は、五輪前最後の親善試合でよみがえった。五輪組デビュー戦となった2月8日のイラン戦以来14試合ぶり、173日ぶりのゴール。五輪前最後の試合で、やっと眠りから覚めた。本番に間に合った。
「今日は入ると信じていた。点が取れなくても応援して下さった皆さんに感謝したい。やっと決まったって感じです」。長いトンネルの出口は、嫌な流れの少し先にあった。前半29分のシュートは、左ポスト。同41分のヘディングシュートは、GKの正面に飛んだ。だがFW大久保からハーフタイムに「後半になれば、点が入るから」と励まされ、シナリオ通りに進んだ。
U−19(19歳以下)日本代表や筑波大の試合で点が取れても、五輪代表でノーゴールが続いた。「不安も少しありました」。4月からの大学進学で環境が変わった。代表の遠征を終えてキャンパスへ行くと、カメラ付き携帯電話を向けられることもあった。一部学生の間では、学内の平山の居場所がメールで出回ったという。当人は国見高時代と異なる事情に戸惑った。
プロに行った方が伸びる。そんな声も耳に入ったが、大学にも刺激があった。五輪代表が発表された16日「筑波大には世界チャンピオンがいるので、自分はあんまりすごくないと思う」と言った。陸上走り幅跳びの03年ユース世界王者、品田直宏が同級生にいるのを人づてに知り、上を目指す意欲があふれた。大学を選んだことは間違いない。あらためて確信し、スペインリーグ覇者バレンシアからの誘いにも乗らなかった。
平山のゴールに触発されるかのように高松、田中が続き、無得点試合にピリオドを打った大久保を含め、FW4人で4得点を挙げた。課題は何かと問われた平山は「ワンチャンスで決めること。36年ぶりのメダル獲得へ向けて頑張る」と前を向いた。日本の武器となる19歳の頭からやっと不安が消えた。【佐々木一郎】
[2004/7/31/09:22 紙面から]
写真=後半、平山(右)は汗を飛び散らせヘディングゴールを決める(撮影・鹿野芳博)
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