丸川珠代五輪相(50)が20日、閣議後の会見で、24日の東京パラリンピック開会式に合わせ、来日を調整している国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長に対し「入国後の行動範囲は厳しく制限させていただく」と、“けん制”した。

バッハ氏の来日は23日が有力とみられるが、丸川氏は「IOCの会長は通例、パラリンピックに出席しているとのこと。今回の来日については調整中とのことで、IOCから公表される」と説明した。

さらに「来日された場合、必要な感染対策を講じた上で、パラリンピック開会式出席のほか、競技視察といった必要最低限の訪問先への訪問を予定しているものと承知している」とし、外出は基本的に視察や行事出席などに限定されるとの見方を示した。

バッハ氏は23日に来日した場合、新型コロナウイルス感染症対策規則集「プレーブック」で、大会関係者が求められている3日間の自主隔離を経ず、パラ開会式に出席する要人並みの“特別扱い”になる。「しっかり入国前に健康管理を行っていただくと同時に、入国後の行動範囲は厳しく制限をさせていただきます」と断言。「受け入れ先が組織委員会となっている。厳格な行動管理と定期的な検査をしていただきたいとお願いしているところです」とし、組織委員会にもバッハ氏の行動に目を配るようにクギを刺した。

バッハ氏は東京オリンピック(五輪)で来日。閉幕後に緊急事態宣言発令中の東京・銀座を散策した。通行人と握手したり、記念撮影に応じる姿を多数目撃された。緊急事態宣言発令中は不要不急の外出を控えることが求められている上、大会中は選手に観光を禁止していたIOCトップとして示しがつかないなどと批判の声が上がっていた。

一方、丸川氏はバッハ氏の“銀ブラ”について「不要不急かどうかは、ご本人が判断されること」と言及。丸川氏の発言に対しても「不要不急の外出かどうか、個人で判断していいのか」といった批判が集まっていた。