女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は、実森美祐(21=広島)を紹介する。内気で人見知りの激しかった女の子が、ボートレースと出会い、厳しい勝負の世界に飛び込んだ。「ファンに愛されるレーサー」を目指し奮闘する熱い思いを語る。

福山市初の女子レーサーとして日々成長を続ける実森美祐
福山市初の女子レーサーとして日々成長を続ける実森美祐

 -福山市では初めての女子レーサー

 実森美祐(以下実森) 父に小さい頃に宮島ボートに連れていってもらったんです。その時の記憶はあんまりないんですけど、中学3年で再び訪れた時にレーサーがとにかく、かっこいいなと思ったんです。水上バイクを経験していたのも大きかったですね。いっしょにいった兄とともに、私もレーサーになりたいと高校で2回受験して失敗。歯科衛生士の学校に通っていた時に3回目でやっと受かりました。

 -スポーツ歴は高校の部活で剣道を1年半やっただけ。人見知りする内気な女の子がなぜ? 

 実森 自分の中で負けず嫌いの気持ちが眠っていたんですね。レースで負けると本当に悔しくて、悔しくて眠れないぐらい。レース養成の(やまと)学校の時も訓練はそれほど苦痛じゃなかったけど、プライベートの全くない団体生活は嫌で嫌で仕方がなかったのに、不思議とやめたいと思うことはなかったです。ボートレースに出会えたことで、自分になかった部分を発見できたのが大きかったですね。

 -両親も理解

 実森 ボートに連れていってくれた父はもちろんだけど、最初は「危険だから…」と反対していた母がレーサーになれたことを喜んでくれたのはうれしかったですね。自分から積極的に職業を選んだのを認めてくれたんだと思います。

広島支部の後輩レーサー山田和佐の結婚式に集まった選手仲間。右から実森美祐、村上奈穂、向井田真紀、新田有理
広島支部の後輩レーサー山田和佐の結婚式に集まった選手仲間。右から実森美祐、村上奈穂、向井田真紀、新田有理

 -レーサーになって変わったことは

 実森 人に見られる職業なので、人見知りはだいぶん解消されました。前より自分がフレンドリーになったと思います。

 -レースや練習以外のオフはどう過ごす? 

 実森 普通にショッピングに行くか、友達と遊びに行くか、家でテレビや映画を見てます。

 -好きな映画は

 実森 「フォーエヴァー・ヤング」や「タイタニック」などロマンチックな映画が好きです。「フォーエヴァー・ヤング」主役のメル・ギブソンは、額のシワだけが、お父さんに似ているから好きなんですよ。

プロ野球広島のオープン戦のセレモニーに参加した実森美祐。右は宮島ボートのマスコットキャラクターのモンタ
プロ野球広島のオープン戦のセレモニーに参加した実森美祐。右は宮島ボートのマスコットキャラクターのモンタ

 -最後にボートレースの魅力とは

 実森 男女が同じレースで対等に戦えること。そして自分が頑張れば頑張るほど結果が出せることですね。私も、もっともっと強くなって上の舞台で最後まであきらめないレースを続けて、ファンの心に残るレーサーになるのが目標です。

※次回は9月11日更新予定

 ◆実森美祐(さねもり・みゆ) 1996年(平8)9月11日、広島県福山市生まれ。福山歯科衛生士学校を中退して119期として16年11月、宮島でデビュー。初1着は17年12月の平和島。今年7月、丸亀で初優出。昨年の獲得賞金は578万3000円。今年は783万3000円(2日現在)。155センチ、51キロ、血液型0。