◆松戸バンクの特徴

 1周333メートルで、とにかく丸い。「見なし直線」38・2メートルは、全国44場の中で小田原(36・1メートル)奈良(38・0メートル)に次ぐ3番目の短さ。4コーナーを過ぎたら瞬く間にゴールだから、3番手よりも後ろからの差しはほとんど決まらない。

 最大カントは29度44分42秒で、傾斜の緩さは熊本と並んで全国6番目になる。まくりが利きづらく、逃げた選手、その番手が圧倒的に有利。まくりに構えた時でも、最終ホームあたりから巻き返すだけの積極性が必要だ。

 別々のラインから1着と2着の選手が出る、いわゆる「筋違い」も阻まれる。筋で決まりやすい、つまり当てやすい。その分だけ払戻金は安めになり、むやみな高配当狙いは危険とされる。

 これまで松戸で行われたG1、G2決勝の結果を挙げた。

 ▼95年・日本選手権【1着】小橋正義(岡山)差し【2着】児玉広志(香川)マーク【配当】枠単990円(2番人気)※2車単の発売なし

 ▼01年・日本選手権【1着】稲村成浩(群馬)まくり【2着】児玉広志(香川)マーク【配当】2車単1000円(1番人気)

 ▼05年・日本選手権【1着】鈴木誠(千葉)差し【2着】伏見俊昭(福島)逃げ【配当】2車単4140円(19番人気)

 ▼07年・サマーナイトフェスティバル【1着】浜口高彰(岐阜)差し【2着】永井清史(岐阜)逃げ【配当】2車単1080円(1番人気)

 ▼10年・日本選手権【1着】村上博幸(京都)差し【2着】村上義弘(京都)逃げ【配当】2車単1510円(3番人気)

 ▼11年・SSシリーズ風光る【1着】成田和也(福島)差し【2着】伏見俊昭(福島)まくり【配当】2車単5320円(19番人気)

 ▼14年・サマーナイトフェスティバル【1着】深谷知広(愛知)逃げ【2着】武田豊樹(茨城)差し【配当】2車単1610円(6番人気)

 11年までは全て同じラインの選手によるワンツーだった。その6回のうち4回(95、05、07、10年)で、逃げた選手の番手が勝利。「逃げ切り」はないが、逃げ粘っての2着は3回ある。01年1着の稲村成浩の決まり手は「まくり」。ただ、最終ホームで仕掛けてバックで先頭に立っていたから、限りなく「逃げ」に近い。11年2着の伏見俊昭も「まくり」とはいえ、先行する山崎芳仁の番手からまくって最終バック先頭。これを終始追走して勝った成田和也は、逃げた選手の番手も同然だった。

 14年に初めて別線で決着。ただ、最も支持を集めていた深谷知広の逃げ切りで、波乱とまではいかなかった。車券は主導権を取りそうなラインを重視して、筋を基本に買う方が良さそうだ。