佐世保G3開設73周年記念「九十九島賞争奪戦」が17日まで開催された。
佐世保競輪場は、スタンドの老朽化による全面改修工事が行われているため、開催中は残念ながら本場でのイベントは行われなかったが、開幕2日前の12日に「記念前々夜祭」が行われた。
普段は車券が発売されているスペースにせんべろ屋台コーナーが設けられ、ドリンク2杯にフード2つで1000円と破格の値段設定で、競輪ファンだけでなく多くのお客さんで大盛況。佐世保競輪中継のMCでおなじみの山下萌香さんや、司会や実況もマルチにこなす大津尚之さん、元競輪選手で名物解説者の平尾昌也さん、この日のゲストの元ガールズケイリン女王の高木真備さんも、YouTubeのライブ配信の合間に佐世保名物を堪能していた。
競輪選手会長崎支部も、ブースを開設。オリジナルグッズの販売やファンサービスに努めていた。山口伊吹と山口龍也のきょうだいもそろってお手伝い。伊吹の周りには、ひっきりなしにファンが詰めかけていた。
特設ステージでは鏡開きが行われ、振る舞い酒も実施。こちらも長蛇の列で、選手も味見? をしながらお手伝いに励んでいた。
ほろ酔い気分で場内を散策していたら、ふと背中に気配を感じて振り返ると…、福太郎じゃん!
中里福太郎は、2年前に結婚を機に長崎から北海道へ移籍。久々の再会だったが、愛くるしい笑顔は変わってない。「今は、冬季移動で長崎に帰ってきてます。子供が生まれたばかりで寂しいですけどね」と話す姿は、すっかり父親の表情だった。中里の姿を見つけた人が、次々に「お帰り!」と声をかけているあたり、愛されてきたんだなと、ほっこりさせられた。
高木真備さんによる「ほろ酔いトークショー」には、山口伊吹も出演。高木さんの現役時代に一緒の開催になった時のエピソードを聞かれると「真備さんはいつもすごく優しくて、天使が歩いてるんじゃないかと思うぐらい」と終始、にこやかにしていたが、今年から新設されたガールスG1の話題になると「1期生の方々から築いてくださって、できたレースというのもあったので、うれしかったです…」と思わず感極まる場面もあった。
その後、最終日のレインボーカップA級チャレンジファイナルに出場した地元ルーキー峯口司と小柳智徳も、壇上で意気込みを語った。ファンの後押しのおかげか、小柳が3着に入りA級2班に特昇を決めた。
工期の間はしばらく窮屈かもしれないが、こういった地域密着のイベントを通じて市民に競輪が認知されていくことで「ケイリンパーク」として生まれ変わる26年には、多くのファンが詰めかけてくれるはずだ。
リニューアルしたあかつきには“マキビとイブキ”のオンステージが開催されることを期待しよう。【中嶋聡史】