激戦区といわれる「第59回G1近畿地区選手権競走」が、尼崎ボートを舞台に6日から11日まで開催される。

 馬場貴也にとって先輩の守田俊介が昨年SG(ダービー)を制して、年末のグランプリを走ったことは刺激になっている。「グランプリが終わって、食事をする機会があったんです。そこで守田さんが『ミスしてベスト6に入れなくて、めっちゃ悔しい。また、グランプリを走りたい』と熱く語るんですよ。欲を感じさせなかった、あの守田さんの気持ちまで変えてしまう舞台。僕も走ってみたいと思いましたね」と細い目をきらきらと輝かせた。

 加えて同期93期の長田頼宗が昨年末のSGグランプリシリーズ戦を優勝、さらに発奮材料が増えた。「長田が優勝した瞬間を、テレビで見ていたんです。9割5分は喜べず、悔しい気持ちがこみ上げてきた。ここまで同じような成績で来たんですよ。あいつで勝てるのだから、今年はSGを勝ちたい」。守田を語る時とはまた違った、真剣な表情を見せた。

 その足掛かりとなるのが今回の近畿地区選だ。「昨年の9月以降から調整の方向性を変えて、好みの仕上がりになることが増えました。しっかり結果を残したい」。滋賀支部の先輩、同期ライバルの活躍に負けてはいられない。勝利へのこだわりを見せる。

 ◆馬場貴也(ばば・よしや)1984年(昭59)3月26日、京都府生まれ。03年11月、93期生としてデビュー。通算優勝は23回。ボート界が誇るスピードキングで、タイムへのこだわりは人一倍強い。12年1月のびわこで、1分42秒2をたたき出した。これはいまだに破られていないレコードタイム。同期は斉藤優、古川健、真庭明志、中越博紀、長田頼宗ら。167センチ、53キロ。血液型A。