萩原秀人(37=福井)が3コースから差して、念願のG1初優勝を決めた。人気のイン平田忠則はスタートで遅れて4着。2コースからまくって出た篠崎元志は妨害失格となった。

 「うねりは嫌いだけど、福岡は嫌いじゃないです。自分から行くことは考えていなかった」。握ると、うねりに遭う。萩原の作戦勝ちだ。伸びる篠崎のまくりに乗じた。抜群の回り足を生かして差し切った。

 75号機とは縁があった。11月の一般戦に続き、2節連続で引き当てた。「他の人より長く乗って有利な条件だった」。相棒の素性はしっかり理解していた。レース足を最大限に利用して、G1初優勝につなげた。

 「篠崎君のことが心配だけど、うれしいのは、うれしいです」。負傷した篠崎を気遣いながらも、少しだけ喜びに浸った。37歳でつかんだ栄冠を、優勝トロフィーの重さで実感していた。【中牟田康】