G1覇者の村本大輔(41)が17日、伊東競輪場で涙と笑いの引退セレモニーを行った。昨年10月の松阪で落車して頸椎(けいつい)など損傷して長期欠場に追い込まれ、復帰を目指していたが、練習中の事故で左手の薬指と小指を欠損。身体能力の基準のひとつである握力が回復せず、11月に引退した。「まだまだやれるつもりだったが、ドクターストップがかかってしまった」。05年のG1高松宮記念杯を初制覇した人気レーサーは無念さをにじませた。

 お笑い芸人・ゴルゴ松本に似ていることから「競輪界のゴルゴ」の異名と軽妙なパフォーマンスで人気を集めた。セレモニーでは高松宮記念杯の準決で番手勝負で競り勝った山口幸二氏が司会を務め、山口氏からの要望を受け「みなさんカメラと動画の用意はいいですか?」と最後の「命」ポーズを決め、最後は男泣きで締めくくった。