日本代表FW本田圭佑(28=ACミラン)が、今日31日のウズベキスタン戦(味スタ)でハリルホジッチ監督の絶対的な信頼を勝ち取る。新体制2試合目で先発復帰が濃厚。ACミラン移籍後の1年3カ月で師事する監督は7人目。これまで通りの存在感を示し、頼れるサムライとなる。

 思わず声が出た。東京の夜空に「ウワッー!」と、本田の短い怒りの叫びが響いた。すべて公開された練習の最後、FW陣が1本ずつPKを蹴った。トリの本田だけがスッキリ決められず、ハリルホジッチ監督からやり直しを指示された。2本目もGKのタイミングを外せず正面で難なく阻止され、声が出た。このまま練習は終了。取材エリアでもいつも通り無言。フラストレーションは右FWで先発復帰が濃厚なウズベキスタン戦で晴らすことになる。

 27日のチュニジア戦は先発から外れた。途中出場で1得点1アシストと結果を出したが、新体制で横一線ともいえる競争の中にいる。ACミラン移籍後も同じような状況から定位置を勝ち取ってきた。低迷する名門で暫定監督も含め4人の監督にレギュラーとして起用されている。ザッケローニ、アギーレと続いた代表も含め1年3カ月で師事した監督は実に7人目。今回の招集メンバーではDF酒井高、MF香川も同じ7人目だが、常にレギュラーだったのは本田1人。6人の外国人監督にずっと必要とされてきた。これまで通りの存在感を示しハリルホジッチ監督で計7人の侍になる。

 チュニジア戦後には「環境が変わる、指導者が代わる。そういうことに順応する力は自分の強さの1つ」と自信ものぞかせていた。この日は最後に、FKの成功率を問題視する指揮官の目の前で右45度の位置から軽く2本のFKを蹴ってさらりとアピールもした。体制が変わり、スタイルが変わろうとブレない侍は、必要不可欠な存在であり続ける。【八反誠】