デカモリシことC大阪FW森島康仁(20)が、8月の北京五輪に出場するU-23(23歳以下)日本代表から、まさかの落選だ。日本協会は21日、五輪イヤー最初の親善試合となるアンゴラA代表戦(27日、国立)の代表メンバー18人を発表。反町康治監督(44)は、これまで主力だったFW森島、平山らを外した。森島に関してはC大阪でベンチスタートが続く現状を総合的に判断したもので、奮起を期待する親心のこもった“ダメ出し”となった。

 森島の名前がない。北京五輪アジア最終予選では9月以降、出場停止を除く4試合すべてにメンバー入り。前線で体を張って出場権獲得に大きく貢献したデカモリシが、アンゴラA代表戦のメンバーから消えた。反町監督は森島ら主力の落選理由に関して「今季に入ってからの状況を総合的に判断した」と説明。所属するC大阪でブラジル人FWカレカに先発の座を譲っている現状に“ダメ出し”された。

 本人に予感はあった。2月の米国遠征では練習試合でハットトリックを決めたが、腰に違和感を感じた影響で納得したプレーはできなかった。所属のC大阪もJ2で開幕戦に勝った後は連敗中と調子が上がらない。一方、C大阪戦を含めて2戦連発の山形FW豊田が招集された。「プロは実力社会。また、呼ばれるようになってほしい」と指揮官は奮起を期待した。

 「もちろん、ソリさん(反町監督)に選んでもらいたい気持ちはある。でも、五輪に出るためだけにサッカーをやっているわけじゃない。まずはセレッソで結果を出すしかない」。森島は冷静に現状を受け止めた。同時に五輪へ出場するにはC大阪で先発に定着し、勝利に貢献することを反町監督からも求められていることを痛感。原点を思い出し、巻き返すのみだ。

 23日の仙台戦(長居)には反町監督が視察に訪れる。“見返す”絶好のチャンス。リーグ戦で結果を出し続ければ、代表復帰の道も開ける。「仙台戦に勝つことしか考えていない。結果が欲しい」。デカモリシは逆境を力に変えてみせる。【奈島宏樹】