セルティックの日本代表MF中村俊輔(29)が、岡田監督に11年越しの恩返しをする。22日にスコットランドリーグ3連覇を決めると、すぐに岡田ジャパンに初合流するため、現地を出発。24日に成田空港に到着した。同日夕刻には27日のパラグアイ戦(埼玉ス)に備え、横浜市内での自主トレを敢行。あえて同時刻のコートジボワール戦を見ずに、調整に集中した。98年、岡田監督にフル代表合宿に抜てきされた恩に報いるため、25日のチーム合流から、ベストコンディションで臨む。
コートジボワール戦とほぼ同時刻に、中村俊の戦いも始まっていた。18時40分。帰国直後に横浜市内の練習施設に入った。「(長距離移動で)体がバキバキ。動かさないと」。疲労と時差ぼけお構いなしの、約90分のマシントレーニング。同戦のリアルタイム観戦をあきらめてまで、25日の代表合流に備えた調整に努めた。
10年前の恩を返すため、ベストな体調を心がけた。「今まで頑張ってこれたのも、岡田監督のおかげだから」と中村俊。華々しいプロ人生を歩んできた司令塔だが、そのきっかけは名将の英断だと考えている。
98年2月。19歳の中村俊は、日本代表候補合宿にサプライズ招集された。「自分ではとても代表レベルだと思わなかったけど。岡田監督が特別に呼んでくれたので、チャンスをもらったと思って頑張った。それを生かして、今までやってこれた」。それまでは最大の目標はシドニー五輪出場で、フル代表は遠い目標でしかなかった。その意識が岡田ジャパン招集で変わった。
00年には史上最年少でJリーグMVPを受賞。02年にはレジーナに移籍し欧州に進出した。さらに05年に移籍したセルティックでは、欧州CLで世界に名前をとどろかせた。だが立場は変われど、感謝の心に変わりはない。03年冬には、関係者を通じて指揮官に「あの時選んでくれたから、今の自分がある」と伝えた。そしてついに、プレーで恩に報いる時を迎える。
6月のW杯3次予選について中村俊は「すでに1敗しているので危機感はある。早めに勝ち点を重ねないと」と話した。強豪コートジボワール相手の快勝で得た勢いを、本調子で臨む欧州組の“大将”がさらに加速させる。【塩畑大輔】

