日本代表のFW玉田圭司(28=名古屋)が「記念日」に勝利へと導くゴールを決める。22日のW杯アジア3次予選バーレーン戦(埼玉ス)に向け、20日は千葉県内で調整。決戦の日となる22日は、06年W杯ドイツ大会ブラジル戦で先制点を挙げ、王国に冷や汗をかかせた日でもある。バーレーン戦は1トップでの先発が決定的。エース大久保が出場停止の一戦で、攻撃の柱として存在感を示す。

 あの感触は今でも玉田の脳裏に鮮明に刻まれている。この日の練習では果敢にゴールへと飛び出し、得意の左足で強烈なシュートを繰り出した。06年6月22日。決勝トーナメント進出のわずかな可能性を残し、ドイツ・ドルトムントで臨んだブラジル戦。王国を本気にさせた鮮やかな先制ミドルも左足で挙げていた。

 記念日になる22日、W杯へとつながる一戦に臨む。この2年間は浮き沈みの連続で、名古屋でも定位置をつかめず、代表からも遠ざかった。「終わった選手」と陰口をたたかれたこともある。そのつらい時期を乗り越えて、次戦は大久保が不在のため攻撃の柱として期待される。

 「オレは(代表選手として)生きている。選ばれていない日もその思いを忘れたことはない。もし(代表を)あきらめてしまうくらいなら、サッカーをやめた方がいい。今までの(苦しい)思いもある。次の試合は絶対に勝つ」。

 バーレーンには相性がいい。04年8月3日のアジア杯準決勝で2得点を挙げ、決勝進出へと導いた。「大舞台でやってきた自信も、経験も今の自分にはある。それを生かしたい」。苦労を重ねてきた2年間の思いを胸に、決戦のピッチへと向かう。【益子浩一】