日本代表のMF香川真司(19=C大阪)が、故郷神戸に勇気を与える。鹿児島・指宿合宿7日目の16日は、アジア杯予選イエメン戦(20日、熊本)に向けた戦術練習に参加。17日は95年の阪神・淡路大震災から丸14年になるため「神戸で育った選手として、W杯出場を決めるピッチに立つ」と約束した。3月に20歳になる期待の星は、復興した神戸から世界へ羽ばたく。

 香川が、固い決意を胸に抱いた。17日は阪神・淡路大震災が起きた悲劇の日。神戸市垂水区で生まれ育った香川は、14年が経った今でも故郷への感謝を忘れていない。「神戸に勇気を与えたい。ボクにできることは代表で活躍すること。まず今年は結果を残し続けて、W杯が決まる試合のピッチに立っていたい。そしてC大阪をJ1に上げる」と誓った。

 震災が起きた95年はまだ5歳。自宅マンションが激しく揺れたが、ぐっすり眠ったいたという。それでも周囲が混乱しているのを目の当たりにすると恐怖が襲ってきた。怖さのあまり、サッカーボールを抱きしめて布団に潜った。14年が過ぎて街は復興しているが、当時を経験した人の心の傷は癒えてはいない。「神戸で生まれた選手として世界で活躍したい」。香川の思いは強い。【益子浩一】