<J2:札幌0-1横浜FC>◇第24節◇30日◇札幌ド

 小野加入後のホーム初勝利お預け-。J2札幌は横浜FCに敗れ、7試合ぶりの黒星となった。後半17分に元札幌の横浜FC市村にゴールを許すと、財前恵一監督(46)はボランチ2人を代え、FW前田、丁ら攻撃の選手を投入し攻めに出たが無得点。MF小野伸二(34)は好機演出も、出場3戦目にして初の黒星。札幌は勝ち点34のままで、順位を8位に落とした。

 小野の巧みな戦術をもってしても、ゴールを奪うことはできなかった。0-1の後半ロスタイム4分、中央で得たFKに猛然と走り寄った。「たくさんいるゴール前に蹴っても効果がない。砂川さんが、開いていてくれてたので」。助走をつけて中に蹴りこむと見せて、左の砂川へはたき、ゴール前の密集を散らしてから再びパスを受け、190センチの長身FW丁の頭に、ふわりと蹴りこんだ。

 だがゴールは遠かった。丁のヘッドがGK正面に飛ぶと、札幌ドームは一瞬にして大きなため息に包まれた。今季ナイター最多の1万3719人を集めたが、小野としては出場3戦目、合流7戦目にして初黒星となった。「週の中日にこれだけたくさんの人が来てくれてすごいうれしかった。でも、たくさん来てくれているとき勝たないとがっくりさせてしまう」。前節愛媛戦で初勝利を挙げ、期待の大きさも感じていた。それだけに、ホームで2戦連続で白星を逃した悔しさは大きかった。

 「失点したことよりも点を取らないと勝てない。シュート数に比べると点が少ない感じがする」。札幌デビュー戦だった大分戦から3戦で、シュートは計34本も得点は、わずか4。小野が加わり、ボールをつなぐ部分は進化しているが、決定的なシーンは少なく、後半39分に自ら放ったミドルシュートもGK正面をついた。「全体的に悪くはないが、ペナルティーエリアでの動きを増やさないと。あと今日はいつもより距離感が遠かった。何がいけないかみんなで話し合って修正したい」と振り返った。

 日本代表として臨んだ01年7月1日のパラグアイ戦以来となる札幌ドームでの勝利は、8月10日の京都戦まで持ち越しとなった。「毎試合、勝ち点3を取れるようにしていかないと。うまくいかないときはピッチでどうしたらいいか考えないと」。この1敗を糧に小野がチームに新たなメスを入れていく。【永野高輔】

 ◆平日ナイター今季初の1万人超え

 横浜FC戦は1万3719人となり、J2の平日ナイターでは、11年9月21日の東京V戦(4○2、札幌ドーム)以来3年ぶりに1万人を超えた。最高は05年8月2日の横浜FC戦(1●2、同)の2万374人で、今回はそれに次ぐ2位の動員数。