[ 2014年2月3日8時53分

 紙面から ]準備が大幅に遅れているカーリング会場

 え、アイスがない!?

 ソチ五輪のカーリング会場「アイス・キューブ・カーリング・センター」の準備が遅れていることが2日、分かった。完了は1月31日をメドに進めてきたが、現在もアイスを作る状態。各チームの公式練習が始まる8日までに完成するか予断を許さない。

 マットや段ボールが重ねられた会場で、男たちがホースで水をまく。脇にはシートを囲う外枠を氷に取りつける男たちの姿。工事関係者は「あと3日はかかるかな。いや4日かな。2月6日には完成していると思うよ。たぶんね」。氷上に髪の毛1本あれば、ストーンの動きが変わると言われる繊細な競技とは、似ても似つかない光景だ。

 昨年2月にテストマッチを実施した同会場は、五輪本番へ改装中だが、その完成は1週間もずれ込む見通しで、各チームはできたてのアイスで本番を迎えざるを得ない。競技開始は10日(日本の初戦は11日)で練習日はわずか2日間。会場の収容人員は3000人で、観客の体温で真新しい氷の状態が刻々と変化する可能性もある。

 ただし「カーママ」小笠原歩(35=北海道銀行)率いる日本にとっては、未知数の氷は追い風だ。日本は世界ランキング9位で出場10カ国中9番目。ぶっつけ本番に近い日程が、番狂わせにつながる可能性もある。工事関係者は「8日の練習までには完成するよ、たぶん」と、最後まで楽観的だった。【益田一弘】