日本人最上位は8月の世界選手権(ロンドン)代表の選考対象となる別府大分毎日マラソンは、中本健太郎(34=安川電機)が2時間9分32秒の記録で、マラソン初優勝を果たした。
デレジェ・デベレ(エチオピア)が2時間10分22秒で2位、木滑良(MHPS)が2時間10分30秒で3位、初マラソンの大石港与(トヨタ自動車)が2時間10分39秒で4位に入った。
◆最終成績
1 中本健太郎(安川電機) 2時間 9分32秒
2 デベレ (エチオピア) 2時間10分23秒
3 木滑 良(MHPS) 2時間10分30秒
4 大石 港与(トヨタ自動車)2時間10分39秒
5 伊藤 太賀(スズキ浜松) 2時間10分52秒
6 ルムシェ (モロッコ) 2時間11分58秒
7 鈴木 卓也(愛三工業) 2時間12分 8秒
8 岩田 勇治(MHPS) 2時間12分15秒
9 日下 佳祐(日立物流) 2時間12分42秒
10ケニー (ケニア) 2時間13分33秒
- 拳を突き上げゴールする中本健太郎(撮影・栗木一考)
【ゴール】 中本は快調に飛ばし、2時間9分32秒でフィニッシュ。14回目のマラソンで初めての優勝を手にした。2位のデベレは2時間10分22秒だった。
【40キロ】 中本は2時間2分46秒で通過。この5キロのスプリットは15分34秒。優勝に向かって独走する。
【39キロ】 中本がぐんぐん離して独走に。デベレとは約30メートル差。
【38キロ】 38・7キロで中本が一気に仕掛ける。デベレが後ろへ遅れる。
【37キロ】 中本は36キロからの1キロを2分59秒と飛ばす。それでもデベレは離れない。
【36キロ】 下り坂を使って中本がペースアップ。デベレも後ろに付く。
【35キロ】 デベレ、中本が1時間47分12秒で通過。この5キロのスプリットは15分16秒。35・5キロからの上り坂を使って中本が前へ出るも、デベレも離れない。大石が3番手へ浮上、35キロの通過はトップとは23秒差。
【33キロ】 デベレ、中本、伊藤の3人が先頭。中本は落ち着いた表情で安定した走り。33・5キロで中本がスパート。伊藤も遅れ、併走するデベレとの一騎打ちに。
【32キロ】 大石が少し遅れる。先頭は1キロ3分ペースに上がっている。
【31キロ】 先頭のデベレに追いつき、ケニー、中本、伊藤、大石がトップ集団を形成。
【30キロ】 トップ通過のデベレが1時間31分56秒。3秒差で中本が通過、ケニー、大石、伊藤も付いている。
【28キロ】 2番・デベレ、1番・ケニー、中本の順。一般参加の132番・大石、15番伊藤もしっかりした足取りで中本に続く。丸山は少し遅れ8番手。
【27キロ】 丸山が母校・大分東明高近くをトップと差のない3番手で通過。沿道からひときわ大きな声援が上がる。
【26キロ】 丸山が3回連続でスペシャルドリンクの確保に失敗。ペースが上がり、先頭集団が少し縦長になり、遅れる選手が出始める。ペースメーカー2人が外れた。
【25キロ】 先頭の通過タイムは1時間16分49秒、この5キロのスプリットは15分35秒とまた落ちる。
【24キロ】 先頭集団はペースメーカー2人を含め21人。大津も踏ん張っている。
【中間点】 先頭の通過タイムは1時間4分34秒。直後の給水ポイントで、丸山が自身のスペシャルドリンクをつかめず給水失敗。
【20キロ】 先頭の通過タイムは1時間1分14秒、この5キロのスプリットは15分26秒と落ちる。門田は再び、先頭集団から3秒ほど後方へ遅れる。
【19キロ】 雨はやんでいる。門田は落ち着きを取り戻し、先頭集団の真ん中を走る。
【17キロ】 先頭集団の後方で14番・門田の表情が厳しくなる。隣には東海大時代に箱根駅伝で活躍した133番・早川の姿も。
【15キロ】 先頭の通過タイムは45分48秒、この5キロのスプリットは15分14秒。ペースメーカー3人のうちの1人、吉村が外れる。先頭集団は20人強。
【13キロ】 先頭集団には東洋大時代の箱根駅伝でMVPを獲得した128番・大津の姿が。期待の地元選手、丸山はジリジリと先頭集団の前めに位置取り。
【11キロ】 先頭集団から18番・石田が少し後方に離れている。
【10キロ】 先頭の通過タイムは30分34秒、この5キロのスプリットは15分17秒。先頭集団から16番・大塚が遅れている。雨は少し弱くなっている。
【8キロ】 雨が少し強めに、風は弱い。1キロ3分2~3秒ペース。
【6キロ】 小雨が降り出す。先頭集団に変動なし。
【5キロ】 先頭の通過タイムは15分17秒。ペースメーカーの1キロ平均は3分2~3秒。落ち着いた様子の中本は先頭集団のやや後方、招待選手の3番・エグレストンは先頭集団から遅れている。
【4キロ】 先頭集団は30人ほど。少し縦長に。
【1キロ】 ペースメーカーを先頭に3分6秒で通過、11番・中本、12番・丸山ら先頭集団。
【スタート】 正午に号砲。午前中の雨も上がり、気温11・3度、湿度91%、北の風1・7メートル。
- 大会前日の会見に出席したら中本健太郎(左)、デレジェ・デベレ(中央)、丸山文裕
◆招待選手 タイムは自己最高
1 フェリックス・ケニー(31=ケニア) 2時間 7分14秒
2 デレジェ・デベレ(30=エチオピア) 2時間 7分48秒
3 ジェフリー・エグレストン(32=米国)2時間10分52秒
4 ソロネイ・ダシルバ(34=ブラジル) 2時間11分32秒
5 ポール・ポロック(30=アイルランド)2時間15分38秒
11 中本 健太郎(34=安川電機) 2時間 8分35秒
12 丸山 文裕(26=旭化成) 2時間 9分39秒
13 足立 知弥(31=旭化成) 2時間 9分59秒
14 門田 浩樹(31=カネボウ) 2時間10分46秒
15 伊藤 太賀(30=スズキ浜松AC) 2時間11分15秒
16 大塚 良軌(30=愛知製鋼) 2時間11分40秒
17 荻野 皓平(27=富士通) 2時間11分42秒
18 石田 和也(32=西鉄) 2時間11分57秒
19 木滑 良(26=MHPS) 2時間12分48秒
【世界選手権の選考条件】
今年8月の世界選手権男子マラソンの代表枠は最大3。福岡国際(昨年12月4日)、東京(2月26日)、びわ湖毎日(3月5日)で日本人1位となり、選考会終了までに派遣設定記録の2時間7分以内をマークした選手が自動的に代表内定する。これで枠が埋まらない場合、3大会の日本人3位までと、別府大分(2月5日)で日本人1位の選手を対象に、記録、展開、天候などを総合的に勘案し、世界選手権で活躍が期待される選手が選ばれる。複数の選考会に出場した場合、設定記録に到達しない限り、最初のレースが評価対象になる。
福岡国際では川内優輝(29=埼玉県庁)が2時間9分11秒で日本人トップの3位に入った。タイムは際だったものではなかったが、優勝したツェガエに23秒差と迫り、元世界記録保持者のマカウとも中盤まで競り合うなどレース内容は高く評価されている。
【別府大分毎日マラソン・優勝タイム10傑】
1 2時間8分15秒 川内 優輝(埼玉県庁)2013年
2 2時間8分30秒 ゲート・タイス(南アフリカ)1996年
3 2時間8分36秒 ディオニシオ・セロン(メキシコ)1992年
4 2時間8分45秒 西田 隆維(エスビー食品)2001年
5 2時間8分53秒 森下 広一(旭化成)1991年
6 2時間9分 5秒 宗 茂(旭化成)1978年
7 2時間9分11秒 清水 昭(杵築東芝)1998年
8 2時間9分23秒 アブラハム・キプリモ(ウガンダ)2014年
9 2時間9分24秒 サムソン・ラマダーニ(タンザニア)2003年
10 2時間9分27秒 メラク・アベラ(黒崎播磨)2016年