<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇2日目◇13日◇静岡・太平洋C御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)
石川遼(18=パナソニック)が、たび重なるトラブルショットを乗り越えて71で回り、通算5アンダーの139とし、首位に5打差の13位と逆転圏に踏みとどまった。11番パー5では3番ウッドのシャフトが木に当たり、18番パー5ではウオーターショット、いずれも失敗しながらも好アプローチでパーセーブした。初日の1打差4位から後退したが、賞金王争いの中でも独自のコース攻略を貫き、「重圧なし」を印象づけた。
まさに「遼ワールド」だ。11番パー5の第2打は残り230ヤードの右林の中から。前方を狙えば、フォローでクラブが木に当たる。安全策なら真横のフェアウエーに出す場面だ。石川はアイアンと迷った末に、3番ウッドを握る。打った瞬間、やはりシャフトが木に当たり、大きく弓なりにしなった。球はフェアウエーを突き抜け、左の林のカート道へ。第3打はグリーン横の木に当たってラフに落ちた。そんなミスショット3連発の後、第4打をカップ横1メートルに寄せ、パーセーブしてしまった。
「いくつ打ったか分からないほど、長いホールになりましたが、結果、いいパーでした」。本人は屈託なく振り返る。意外にも映る3番ウッド選択の理由を「アイアンだとアドレスが取りにくく、バックスイングで木に当たる」と説明。もちろん思い通りのスライスがかかれば、グリーン近くに運べるのも計算済みだったろう。「ほかの方向は選択肢になかった」。バーディーの欲しいパー5でパーどまりに、後悔はなく、むしろ納得していた。
池田との賞金王争いが佳境になっても、重圧につぶされずに、自分のゴルフを貫く。18番パー5では残り235ヤードのバンカーからグリーンを狙って池に落とした。すると球がすっぽり水に漬かる状況で、果敢にウオーターショットに挑み、グリーン奥ラフへ。「ミスショットでした」。だが、下りで距離のない難しいアプローチを寄せ、ここでも超ナイスパー。「明日につながるパー。ウオーターショットしたかいがあった」と笑った。同組の鈴木が同じ池に入れ、迷わず池の後方から「第4打」、ボギーにしたのと対照的だ。
この2ホールに象徴される小技の上達が、思い切った攻めを支えているといえる。昨季と比べ、リカバリー率、パーキープ率、サンドセーブ率は数字もランクも上昇。その自信が、最後まで賞金王レースを支えるだろう。【岡田美奈】

