<男子ゴルフ:VanaH杯KBCオーガスタ>◇最終日◇28日◇福岡・芥屋GC(7140ヤード、パー72)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 石川遼(19=パナソニック)が、6週間ぶりに賞金ランク1位に返り咲いた。3打差3位から3日連続の66をマークして追い上げたが、通算20アンダーの2打差2位で終了。今季初勝利は逃したものの、924万円を加算し、7月全英オープン終了時以来の賞金1位に浮上。生涯獲得賞金も史上最速最年少で5億円を突破した。■相文(25)が初日からの首位を守り切り、通算22アンダーで日本ツアー初優勝を飾った。

 最終ホールまで、勝利の夢はつないだ。惜しくも2打差2位に敗れた石川は、ひと息つくと「もう、やりきった感じですね」とつぶやいた。

 意地の巻き返しだった。3打差3位から出て序盤の2、3番で連続ボギー。一時は首位と6打差まで開いたが、あきらめない。3メートルを沈めた5番からの3連続で勢いづき、計8バーディーを奪った。最終18番こそチップインイーグルを狙った第3打がピンをオーバーしてパーに終わったが、3日連続の66。テーマにしていた躍動感あふれるゴルフを見せ「ここまでできるとは思わなかった。優勝争いを続ければ、いつかは勝てる」と確信した。

 生涯獲得賞金も史上最速最年少で5億円の大台を突破した。今季未勝利ながら賞金ランクは前週までの3位から6週間ぶりに1位に返り咲いた。過去9度の同組対決で1度しか勝てなかった昨季賞金王金庚泰にも、この日は5打差をつけ“圧勝”。次戦は9月1日開幕のフジサンケイクラシック(山梨・富士桜CC)。「3連覇がかかっている大会。いい状態で迎えられる」。今季3度目の2位を弾みに、今度こそ勝利をつかむ。【木村有三】

 ◆生涯獲得賞金5億円超え

 石川で史上53人目。19歳11カ月10日での達成は史上最年少。97試合目での到達は、ブライアン・ワッツの115試合目を大幅に上回る史上最速記録。石川の生涯獲得賞金は5億753万3924円で同ランク51位。同1位は尾崎将司の26億8816万8253円。※■は裏の里が非