<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇初日◇10日◇静岡・太平洋C御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 賞金ランク2位の石川遼(20=パナソニック)が1イーグル、3バーディー、5ボギー、1ダブルボギー、2オーバー74の59位で予選落ち危機を迎えた。昨年優勝の得意コースも、アマ時代を含め5回目の出場で最悪のスコア。一方で同組で約6100万円差で追う同ランク1位■相文(韓国)は3アンダーの6位。残り出場3戦で1勝がノルマの逆転賞金王へ、早くも暗雲が漂った。鈴木亨(45)が6アンダーで単独首位に立った。

 練習でのプレーが、本番でできない。逆転賞金王へ、今季初優勝をかけた初日。石川の表情は何度もゆがんだ。前半13番でボギーを先行させると、14番では第1打を左に大きく曲げダブルボギー。15、17番もボギーで一時は最下位に沈む。結局2オーバーに戻すも、59位とまさかの予選落ち危機に陥った。

 08年から5位→4位→優勝の得意コース。異例の大会5日前の前週土曜から現地入りし、81ホールの練習ラウンドを積んだ。万全の準備で臨んだ初日は過去最低の74。練習でのショットはほぼ真っすぐ飛んでいただけに「技術面より気持ちの問題」と振り返った。

 昨季までは持ち前の思い切りの良さが、土壇場で力を発揮してきた。だが、今季は1度ボギーをたたくと、次のティーショット時に「フェアウエーに打ちたいとか、左右に行くのでは」と迷う。クラブを振りきれず、球を置きに行こうとしてスイングが緩んだ。

 賞金ランク1位■の優勝と石川の3位以下で、その時点で逆転賞金王は消滅。2日目は雨の予報。巻き返しへ、プロ転向時のようなイケイケの気持ちを取り戻すしかない。【田口潤】※■は裏の里が非