<ゴルフ:日立3ツアーズ選手権>◇11日◇千葉・キングフィールズGC(男子3557ヤード、女子3003ヤード、シニア3392ヤード、パー36)◇賞金総額5700万円(優勝3000万円)

 石川遼(20=パナソニック)が、マスターズ最終日までの120日間を「無休」で突っ走る。ダブルス、シングルスともに勝利を逃したが、スタート直前まで1キロ近い重さの特注ドライバーで特訓。ドライバーの飛距離、精度に手応えを得た。年末年始も「体を休ませたくない」と明言。年明けにはハワイでのソニーオープン参戦後、米国西海岸に移動して調整するなどの日程も徐々にかたまってきた。人生の目標である「20歳のマスターズ優勝」へ時を惜しんで準備を進める。大会はシングルスで6カード中4カードで勝利した女子が、男子とシニアを圧倒して通算2勝目を挙げた。

 特訓の成果だった。石川は計18ホールのラウンドを通して、気持ちよさそうにドライバーを振り抜き続けた。勝利を逃したことを残念がりながらも「打ち出しが多少左右にぶれても、しっかりとクラブを振り切ることができた。来週以降に向けて、いい感触が残った」と力強くうなずいた。

 3ツアーのスターがそろう華やかな舞台でも、自分を磨くことを忘れなかった。スタート直前まで1キロ近いスチールシャフトのドライバーでショット練習。「手先で調整できないので、正しい体の動きをしないと打てない」。午前のラウンド後、午後のスタートまでの30分間も練習を希望。ドライビングレンジが閉場だと知ると、練習グリーンに移り、黙々とアプローチを打ち続けた。

 「僕はシーズンが続くので」と石川。今週はタイオープンでプレーし、年始にはハワイでソニーオープンにも出場する。合宿などもあるため、オフは今月30日から1月4日までだが、その間も「ベタ休みはしません。体を休ませたくないので」と休まずに調整を続ける考えを明かした。

 “無休”はさらに続く。ソニーオープン後は、米国本土に移動して温暖な西海岸で合宿を開始予定。1月いっぱい滞在し、最終週のファーマーズ・インシュアランスなど、米ツアー戦への出場も視野に入れる。帰国後は恒例の雪山スキー合宿も行う方針。2月中旬には再渡米し、例年通りノーザントラストオープンから、米ツアー参戦を始める。

 今年は空き週にしていた2月最終週のホンダクラシックへの参戦プランも浮上。この日でマスターズ最終日まで残り120日だったが、すでに調整スケジュールは埋まっている。「今の自分にはこういうやり方があっていると思うので」と話す。人生で1度きりの「20歳のマスターズ」へ、1分1秒たりともムダにはしないつもりだ。【塩畑大輔】