男子ゴルフの石川遼(20=パナソニック)が13日、今年の最終戦となるタイ選手権(15日開幕=タイ・アマタスプリングCC)出場のため日本を出発し、タイに到着した。目先の結果を求めるよりも、地力を上げることに徹した1年の「集大成」と位置付け。メジャー覇者も集う厚い選手層、米ツアーの会場にも似た難しいコースを攻略し、来年のマスターズに向けた強化の達成度をはかる。

 現地時刻、午後4時。石川は南国タイに降り立った。気温28度。出発時の日本よりも20度ほど高い暑さだが、当然想定はしていた。「国内ツアーが終わっても区切りをつけずに練習してきたので、寒さの中でも体はキレていた。暖かくなっても、スイングのタイミングが合わずに困るということはないと思う」。

 現在、マスターズ出場圏内ぎりぎりの世界ランク50位。「1次選考」締め切りになる年末まで順位を守るため重要な一戦だ。だが石川は「考えないようにする」とキッパリ。「今年の集大成というか、特別な日にしたい。何かをつかんで帰ってきたい」と位置付けた。

 アジアツアーとはいえ、マスターズ覇者のシュワーツェル、全英オープンVのクラーク、世界ランク3位のウエストウッドら豪華な顔ぶれがそろう。「マスターズまでに、緊張感が最高に高まった時、最高のスイングができるように仕上げたい」という石川にとって、これ以上ない試金石だ。

 「そういう中でいいプレーをしたい。気が抜けるホールもないし、くたくたになると思うけど、毎日それくらい集中するのが目標だった」と石川。同世代で全米オープン王者のマキロイは体調不良で欠場になったが「マスターズで、ですね。神様がそう言ってくれていると思うようにします」と笑ってみせた。