<米男子ゴルフ:ウィンダム選手権>◇初日◇16日◇米ノースカロライナ州セッジフィールドCC(7117ヤード、パー70)◇賞金総額520万ドル(約4億1600万円)優勝93万6000ドル(約7488万円)

 石川遼(20=パナソニック)が会心のチップインイーグルで、何とかアンダーパーに踏みとどまった。パットに苦しみながらも、15番パー5でグリーン奥からの第3打を放り込み、1アンダーの69。首位と7打差60位スタートとなった。カール・ペテルソン(34=スウェーデン)が62をマークして首位。今田竜二(35)は67で20位につけた。

 絶妙な技だった。15番パー5。グリーン奥エッジからの第3打はカップまで約15ヤード、やや上ってから急激に下り、右に曲がる難解なライン。サンドウエッジ(SW)を手にした石川は、上り傾斜の頂点手前にワンクッションさせた。勢いを失った球は、下り坂を緩やかに転がりカップへ吸い込まれた。「想像力とイメージを使うアプローチはすごく好き。楽しんでできる。パターでは入らなかったけど、SWで入れました」。わずか1打が順位に大きく左右する展開を助けるチップインイーグルを喜んだ。

 石川の言葉通りこの日はパットで苦しめられた。強気にカップをオーバーさせ続けたが、バーディーは2メートルを沈めた3番の1個だけ。1番で3メートル、6番で2メートル、9番で4メートルとチャンスを外し続けた。

 重要視する初日は60位。好発進とは言えないが、70位タイまでの予選通過圏内には踏みとどまった。選手層の厚い米ツアーでは、流れが来るまでじっと我慢する力も求められる。「初日アンダーで行けたのは良かった。乗り切れた感じ」と石川も悲観していない。

 目標の年間獲得賞金90万ドル超えには、34位以内に入る必要がある。「明日はパットがもう少し決まってくれれば」。米遠征5連戦の最終戦。第1関門の予選突破へ、2日目はグリーン攻略に全力を注ぎ込む。【木村有三】

 ◆遼の米ツアーでのイーグル

 ストローク試合では通算8個目、今季は6月フェデックス・セントジュードクラシック2日目3番パー5(554ヤード)で記録して以来で5個目。