松山英樹(22=LEXUS)はプレーオフ進出に1打及ばず、4位となった。7打差19位から出て、6バーディー、2ボギーの67と追い上げ、通算5アンダー279までスコアを伸ばした。トップ5入りは今季4度目で、優勝スコアに1打差は今年3回目。最終日に難コースを攻略したのは自信になる。ジェームズ・ハーン(米国)が、ダスティン・ジョンソン(米国)とポール・ケーシー(英国)をプレーオフで下し、ツアー初勝利を挙げた。

 時おり雨が降り、風が強まる難条件下で、松山がスコアを伸ばした。1番パー5で深いバンカーから2メートルに寄せてバーディー発進。6番では6メートルを沈め、11番パー5でもピン左2メートルにつけた。通算4アンダーとして首位に3打差まで迫り、「チャンスがあるかも」と気持ちが入った。

 それが裏目に出てか、14番は3パットボギーとするが、崩れない。17番パー5は2オンに成功し、18番は残り157ヤードからピッチングウエッジでカップ横70センチにピタリとつけて連続バーディーで締めた。「最後はいい感じで終われた」。この時点では首位と2打差の7位。その後、上位が崩れ、終わってみればプレーオフに1打及ばず、という惜しい結果となった。

 今年初戦の現代自動車チャンピオンズ大会も、3週前のフェニックス・オープンも、やはりプレーオフ行きに1打足りなかった。この2試合は最終日最終組の緊迫感の中、終盤に伸び悩んだ。この日は最終組の13組前、約1時間早いスタートで「優勝は無理でも(勝負を)捨てないでやるのは大事だと思った」と、満足感を口にした。

 特に戦略性が高い上にグリーンが硬く、各選手が「メジャー級の難しさ」と評したコースを攻略したことは大きい。今大会はダブルボギーなしで「ミスで傷口を広げないようにすること。それはすごく頑張れた」と胸を張る。米ツアー2勝目はならなかったが、目標のメジャー制覇に向け、収穫ある一戦だった。

 ◆松山の今後 次週から舞台が東部に移り、ホンダ・クラシック、2週後の世界選手権シリーズ・キャデラック選手権に出場予定。その後1週休んで、アーノルド・パーマー招待、テキサス・オープン、さらに1週間調整に充てて、4月9日開幕のマスターズに備えるとみられる。