2アンダー36位から出た森田理香子(25=リコー)が、7バーディー、ボギーなしの今季自己ベスト65で回り、首位に1打差の通算9アンダー207とした。昨年3月以来優勝から遠ざかる13年の賞金女王が、不振脱出のツアー8勝目を目指す。

 2年前の賞金女王の強さが帰ってきた。18番パー5。ピンまで残り95ヤードの第3打、52度のウエッジで5月のほけんの窓口レディースから「気分転換に替えた」オレンジボールが、高い弧を描いてピンを突き刺す。ピタリ1メートルに付くとギャラリーがドッと沸いた。森田が忘れていた感触だった。

 難なく7つ目のバーディーを奪い65。今季自己ベスト、この日のベストスコアで60万円のボーナスもゲットした。2アンダー36位から通算9アンダーの6位へ浮上し、首位に1打差に迫り最終日を迎える。「ピンチも耐えられたのが良かった」と久しぶりの手応えに理香子スマイルが戻った。

 13年の女王が、昨年3月のTポイントレディースを最後に勝利の味を忘れている。「どちらかハーフが悪いとか、ビッグスコアが出なかった。アプローチも不安だし」。落ち込む森田に師匠岡本綾子が「私だってシャンクするわよ」と励ましてくれた。そして、岡本グループの「長女」表の存在も大きかった。

 今大会で表は155試合連続出場の大記録を達成。それを目の当たりにした森田は「しんどい姿を見せないところがすごい」と感動した。そして「明日も頑張ろうと思える人」と言った。この夜も一緒に食事に出掛けた。通算8勝目へ、森田が健闘を誓ったのは言うまでもない。【町野直人】