小平智(26=Admiral)が仰天のバーディーラッシュで、大会新の18ホール最多アンダーパーとなる10アンダー、62をマークした。

 前半アウトはスタート4連続など7バーディーで大会タイの9ホール最少スコアの29。後半は上がり3連続を含む4バーディー、1ボギーの33。従来の最多アンダーパー記録保持者の1人が尾崎将司ということもあり、喜びは格別だ。

 「本当にうれしいです。今年の開幕戦でジャンボさんと初めて一緒に回らせてもらった。あの年で僕のドライバーに勝とうと考えている。あの姿を見ると、僕たちの若い連中は『まあ、いいや』とか思っちゃいけないです」

 8月に知人からもらった本「<勝負脳>の鍛え方」を読み、感銘を受けた。「メンタルトレはアマチュアのナショナルチーム時代にもやりましたが、こっちの方が上と思った」と、日大教授で脳神経外科医の著者・林成之氏を紹介してもらい、指導を受けるようになった。「脳が心も、手足も動かす。そのためにどうすべきか。まだトレーニング段階ですけど、マイナスは考えない。バーディーを取るのが当たり前と思っているので」。積極的な考え方が、バーディーラッシュに結びついた。

 とはいえ、62のスコアはやはり規格外。首位で迎える第3日。強い海外思考を持つだけに、国内ツアーで世界ランク加算ポイントが最大の今大会は、ぜがひでも優勝したい。「さすがにまた62とはいかないでしょうから、気持ちを切り替えて優勝を目指します」と笑いながら話していた。