賞金女王イ・ボミ(27=韓国)が大記録に王手をかけた。7バーディー、ノーボギーの65で回り、通算13アンダー、203で6位から単独トップに浮上。前日に渡辺彩香(22=ユピテル)がマークしたトーナメントコース記録に並ぶ好スコアで、2位の渡辺に3打差をつけ「外しちゃいけないところに外さず、手前からいけば、そんなに難しくないです」と言ってのけた。

 前日20日は夕食にウナギを食べた。直近4勝はいずれも金曜日の夜にウナギを食べており「ウナギパワーだと思います。おいしかったですよ。ヘヘヘ」と笑った。韓国にもウナギを使った料理はあるが、照り焼きや塩焼きがメーン。日本に来て食べたひつまぶしの魅力に、すっかり取りつかれているという。

 スタミナの源は母ファジャさん(54)の手料理だが、最近は悩みもある。「いっぱい食べていたら、おなかが出てきてしまって…」と恥ずかしそうに明かす。それでも「体力をつけて、プレーできることの方が大事」と割り切っている。以前からファジャさんには食の細さについて注意され続けてきた。「もっと若い時は無視してたんです。『私は若いから大丈夫』って。最近はやっぱり大事だなと思います」。長丁場を戦う上で、土台の重要性を実感している。

 01年伊沢利光の男子ツアー年間最高賞金2億1793万4583円まで約1000万円。優勝すれば文句なしでの突破となる。賞金女王、女子ツアー史上初の年間獲得賞金2億円超えを達成しても、満足する気配はない。「違うところだったらそういう感じになるかもしれないけど、福島だから。初めてここでプレーして(被災地を)元気づけたいという気持ちだけでも伝わったらと思ってやっています。伊沢さんのことは、ちょっとだけ」。優しい気持ちを胸に、国内ツアーの歴史を塗り替えようとしている。