男子ゴルフの片山晋呉(43=イーグルポイントGC)がこのほど、毎年恒例の宮崎合宿を開始した。

 すでにラウンドも行うなど例年より早いペースで仕上がっており、今後は欧州ツアーとアジアツアーが共催するタイ・クラシック(3月10日開幕、ホアヒン・ブラックマウンテンGC)出場を予定しているという。現在世界ランク69位。タイで上位に食い込み、同ランク64位以内に出場権が与えられる世界選手権シリーズ、デル・マッチプレー(3月23日開幕、テキサス州オースティンCC)参戦を狙う。

 7月にはホストプロを務める「ネスレインビテーショナル 日本プロゴルフマッチプレー選手権 レクサス杯」(29日開幕、北海道・恵庭CC)が控える。3回目を迎える今年は賞金総額は1億5000万円、優勝賞金に至っては国内史上最高額の1億円にアップ。「夢があるし、何より1億って響きがいい。自分の関わっている大会がどんどん大きくなっていくことが幸せですよね」と喜びを隠せなかった。

 マッチプレーの魅力についても、あらためて熱く語った。「マッチプレーって、やっている方も見ている方も純粋に面白い。毎ホール優勝争いかっていうくらい大事なショットやパットが訪れますからね。ストローク戦で1ホール『9』を打ったら1週間が終わってしまう。でもマッチプレーなら、たとえ『9』を打っても1ホール落としただけだから、まだ巻き返せます。そういう意味ではどうなっていくのか展開が読めない面白さがあります」。

 そして、片山いわく「マッチプレーの究極がプレーオフ」。2月第1週のフェニックス・オープンでプレーオフの末に米ツアー2勝目を挙げた松山英樹(23=LEXUS)は日米通算でプレーオフ4戦4勝と抜群の強さを誇っている。「松山選手と優勝争いをしたことがないから何とも言えないけど、4戦4勝という実績が勝負強さを証明していると思います」と称賛した。

 世界ランク11位の松山に次ぐ日本勢2番手として、2人で8月のリオデジャネイロ五輪に出場する可能性もある。「昨日くらいからブラジルに行くために穴を掘っています。地球の裏側なので、今から掘り始めればちょうどいいかな」と笑わせた後で「あえて偉そうなことをいうと、僕なんかがオリンピックに行くようではダメなんです。もっと若い選手に『絶対に出場してやる』という気概をもって取り組んでほしいです」。男子ゴルフ界の活性化のためにも若手の奮起に期待を込めるが、簡単に譲るつもりはない。「僕は若い選手に負けないですけどね(笑い)。112年ぶりにオリンピックに出場する日本人になりたいという気持ちは強くあります。いつか『誰が出たの?』という話になった時に『片山と松山で山2つだぞ』って語り継いでいってほしいです」と締めくくった。