天敵の花粉を封じ込め、吉田弓美子(28=フリー)がツアー通算6勝目に挑む。2打差4位から出たこの日、3バーディー、1ボギーの70で通算5アンダー、1打差2位に浮上した。重度の花粉症持ちだが、2戦前から「ワセリンを鼻の穴に塗る」対処法を導入。「鼻水が止まって、集中力が全然違う」と効果を強調した。3週連続で最終日を首位で迎えるキム・ハヌル(27)が“三度目の正直”で今季初優勝を狙う。

 パットのアドレスに入っても、鼻水タラ~の心配がない。描いたイメージ、ストロークに専念し、吉田が3バーディー、1ボギーの70にスコアをまとめた。通算5アンダーとスコアを伸ばし、首位と1打差。今季初優勝へ、最大の障害がなくなった。

 花粉症が天敵だ。スギ、ヒノキ、ブタクサ、芝…。アレルギーチェックで、医者から「全部ですね」と宣告された。14年大会で第1日終了後、過呼吸に陥り、救急搬送され、棄権したこともある。そんな吉田が、ある対策に出合った。

 ワセリンを綿棒で鼻の穴の中に塗り込む-。プロ仲間の大江香織がメールで教えてくれた。3月12日のヨコハマタイヤPRGRレディース第2日から、だまされたつもりで試すと…鼻水が止まった。「粘膜保護」「保湿効果」「花粉をワセリンがキャッチする」などの効果があるという。「くしゃみは出る。でも、違和感はあるけど、鼻水が出ない」という。

 医学的に実証されたものでないが「私はいいものに巡り合った感じ。鼻水の点でだけでも、集中力が全然違うので」。薬局で買った186円のワセリンが、優勝賞金1440万円を呼ぶかもしれない。【加藤裕一】