熊本市出身で熊本県菊陽町在住の重永亜斗夢(27=ホームテック)と、熊本県益城(ましき)町出身で熊本市在住の永野竜太郎(27=フリー)が、通算7アンダー206で首位に4打差の2位に並んだ。

 永野が踏ん張った。一時は4アンダーまでスコアを落としたが、終盤5ホールで3バーディーだ。ギャラリーから「熊本が大変だけど、頑張って」などと声をかけられ、「そういう声援に応えないといけない」と胸を熱くした。

 14日夜は子供時代を過ごした益城町が震度7、母益美さん(54)と祖母節子さん(81)が残る熊本市内の自宅は、さほど被害がなかった。だが16日午前1時半ごろの大揺れで、マンション4階の自宅は玄関が開かなくなり、近隣の人に頼んで外からバールで開けてもらったという。停電でエレベーターも使えず、昇降式駐車場から車も出せなかった。

 「不安な気持ちでコースに来た」。プレーが始まれば、気持ちを切り替えるはずだった。でも「気にしないつもりでも(心の)片隅には…」。重永とあえて「2人で頑張ろうぜ」とは言葉にしない。「自分が頑張らないといけないと思う。それは亜斗夢も思っているだろうし、それが結果としてお互いにいい位置になった」。気持ちは通じあっていた。

 最終日、最終組は重永、1組前を永野が回る。同い年でジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人が、優勝争いを演じて故郷を勇気づける。