ツアー屈指の個性派プロ・川村昌弘(22=アンテナ)が2日連続の69で、通算4アンダーの3位に浮上した。

 「このコースは、僕が育ったコースと良く似てるので、始まる前から『普通にやればチャンスかな』と思っていました」。打ち下ろし、打ち上げが連続する高低差に加え、両サイドにOBの白杭(しろくい)が目に入るホールが多い。しかし、川村がゴルフを覚えた三重・亀山GCは「全36ホールが両サイドOB」(川村)だとか。多くの選手が「狭い」「難しい」とこぼすのと対照的に「亀山GCに比べたら、広いですよ」と涼しい顔だ。

 超強行軍で今大会に臨んだ。先週はインド洋、アフリカの東に浮かぶ島国モーリシャス共和国開催の欧州ツアー競技に出場。開幕3日前の月曜日の昼すぎに現地を出発、ドバイを経由。火曜の夕方に関西空港に着いた。おかげで練習ラウンドはイン9ホールしかできず、アウトはぶっつけ本番で臨んだ。

 一方で、開催地の和歌山を満喫。前日の第1日終了後には高野山観光へ。「僕の名前の『弘』は弘法大師からいただいたらしいんで、これはうかがった方がいいかな」と、真言宗総本山の地を楽しんだ。

 型にはまったスイングをしないゴルフ同様、どこまでもマイペースだ。「今週の宿も(バッグを担ぐ)小岸キャディーのナイスチョイスで、コースから車で5分。温泉もあって、ご飯もおいしくて、めちゃいいんです」。置かれた立場をひたすら楽しむ。優勝争いも当然楽しむつもりだ。