日本ツアールーキーの森田遥(20=フリー)が4バーディー、1ボギーの68で回り、3アンダーで単独首位発進した。20歳2カ月13日での優勝となれば、05年大会の宮里藍(20歳3カ月13日)を上回って大会最年少記録となる。1打差の2位に長野未祈(みのり、15=千葉・麗沢高1年)がつけるなど、トップ10にアマチュア5人が名前を連ねた。賞金ランクトップのイ・ボミ(28=韓国)は6オーバーの86位でホールアウト後に棄権し、連続予選通過記録が85試合でストップした。

 森田遥は驚いていた。「想定外でした。もっと厳しいと思っていた」。スタート時点は霧が立ちこめ、時折強い雨が降る中でのプレー。最初の10番でいきなりボギーも12番で4メートル、14番でも6メートルを決め、難しいインコースでアンダーパーをマークした。「耐え時を耐えられて、ゲームをうまくまとめられた」と胸をなで下ろした。

 3週前の日本女子プロ選手権では、最終日の残り9ホールを迎えた時点で単独首位だった。しかし、2つのダブルボギーなど42をたたく失速で12位。「すごく大きな経験をした。(ダブルボギーだった)14番まで耐えていってて、それがプツリと放心状態になったので何も考えられなくて、真っ白でした」と振り返る。

 日本ツアー本格参戦1年目で賞金ランク23位。シードを確実にしても満足はしていない。この日は国内男子ツアーで賞金ランクトップの谷原秀人らを指導するツアープロコーチの阿河徹氏がプレーを見守った。試合に来てもらったのは初めてだった。検討段階だが「よりよい打ち方を求める上でチェックしてくれる存在はいた方がいい」とビジョンは明確。コーチの人選を進めるのも、貪欲に進化のヒントを探るからこそだ。

 アマチュア時代は今大会を主催する日本ゴルフ協会のナショナルチームに入って国際大会を戦った。「他とは全然違う大会。ナショナルチームだったことを忘れてはいけないと思い出させてくれる」。中国人の両親を持ち、香川で生まれ育ったからこその思い入れ。大会最年少記録となる初優勝を飾れれば、これ以上ない恩返しとなる。【亀山泰宏】

 ◆森田遥(もりた・はるか)1996年(平8)7月19日、香川・高松市生まれ。ゴルフは9歳から。13年日本女子アマ優勝。昨年1月にプロ転向し、渡米。5月の米下部ツアー、シメトラ・クラシックで優勝も経験した。今季は最終予選4位の資格で日本ツアーフル参戦。164センチ。