男子ゴルフの松山英樹(24=LEXUS)が高級時計メーカーのロレックスとスポンサー契約を結ぶことが10月31日、分かった。日本人スポーツ選手の契約は初めてとなる。直近のHSBCチャンピオンズで米ツアー通算3勝目を挙げ、日本人として初めて世界選手権シリーズを制した。同30日(日本時間31日)付の世界ランクでは自己最高の6位に上昇。新たなサポートを受け、悲願のメジャー優勝を目指す。

 松山が“日本の顔”として認められた。ロレックスが日本のスポーツ選手とスポンサー契約を結ぶのは初めて。試合中に腕時計をしてプレーするわけではないが、インタビューや大会の表彰式、優勝会見といったタイミングで身につけることになりそうだ。

 同社とスポンサー契約を結ぶ選手は、超一流ばかり。ゴルフではジャック・ニクラウスやトム・ワトソン(ともに米国)、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、故アーノルド・パーマー氏といったレジェンドたちに加え、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラーら米国のスター選手がズラリ。テニスでもロジャー・フェデラー(スイス)ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)らトップ選手と契約している。

 松山もそこに加わる資格を備えている。世界ランク(WR)トップ10のうち8人が出場したHSBCチャンピオンズで2位に7打差をつける圧勝。最新WRでもアダム・スコット(オーストラリア)らマスターズ覇者3人を含む上位ランカーを抜き去り、6位に躍進した。自身より上には、いずれもメジャーを制した猛者しかいない。名実ともにトップ選手の仲間入りを果たした形だ。

 松山はこの日、早朝に羽田空港着の航空機で中国から帰国。今回の日本滞在中にロレックスと正式に契約を結ぶとみられ、国内で10日開幕の三井住友VISA太平洋マスターズ(静岡・太平洋C御殿場C)に向けた調整を重ねていく。前日の試合後は「メジャーまで時間はある。それまでに課題を克服していきたい」と話していた松山。ロレックスを腕に光らせながら、メジャーの優勝会見に臨む-。そんな瞬間が今季、見られるかもしれない。

 ◆ロレックス スイスの高級時計メーカー。ドイツ生まれのハンス・ウィルスドルフが1905年、ロンドンにウィルスドルフ&デイビス社を設立し、創業。その後社名を「ロレックス」に変更し、スイスに本社を移転。完全な防水性、自動巻き機構、日付が瞬時に変わるデイトジャスト機構などを発明し、特許を取得。頑丈さなどから、海峡横断やエベレスト登頂などに使用され信頼性や希少性が高まり、世界屈指の高級ブランド腕時計となった。

 ◆松山のスポンサー契約 14年1月からトヨタ自動車の高級車種LEXUSと所属契約。ダンロップスポーツとはクラブ、ウエア、シューズの使用契約を結んでいる。サングラスなどアイウエアのオークリー、移動をサポートする全日本空輸、健康用品メーカーのファイテンとのアドバイザリー契約、「バンテリン」で有名な興和とのパフォーマンスサポート契約、寝具メーカーの西川産業とも契約している。